国内で2500万人が利用していると言われるFacebook。プライベートの日記代わりから仕事のコネクション作りまで、使い方は人それぞれです。その中で、時々見かけるのが「仕事の愚痴」となる投稿です。他のSNSと比べて、人目を意識した投稿が多いと言われますが、不平不満を漏らしたくなることはあるもの。とはいえ、愚痴が目に入りうんざりした経験がある人もいるのではないでしょうか。またプライベートに関することと仕事に関することとでは、受け止められ方も異なります。Facebookで仕事の愚痴を投稿する人についてどう思うかを、働く女性たちに聞きました。
業界的に完全NG
「仕事には守秘義務が発生していますし、どんな内容であってもFacebookのような“公の場”で書くべきことではありません。対象者や場所を特定できないような内容の愚痴だったとしても、ビジネスとしても活用できるFacebookでそれを言う必要はあるのかと疑問を持ちます」(34歳/士業)
「Facebookは本名で登録しますから、教職員の場合どれだけ仕事内容をぼかして書いても、学校や児童生徒などを推定あるいは特定される可能性があります。それに、生徒や保護者が教師のFacebookをチェックしていることも……。ちょっとしたことで職を失いかねないので、仕事の愚痴を書くのはNGです」(33歳/教育)
法律や教育に関わる方からは、「仕事に関することは、愚痴に限らず、どのような内容でも書くべきではない」という意見が出ました。Facebookに書き込むことで誰かに不利益を与えたり、自分自身が職を失ったりする可能性もあるため、投稿には慎重になりますね。
マイナスの影響を考えると得策でない
「中には共感できる投稿もあるけれど、『もっと良いやり方があるのに』『この人は不器用だなあ』と思ってしまうことも。投稿者へのマイナスイメージが付いてしまうかもしれません」(42歳/調査業)
「自分も昔は書いてしまっていたので、愚痴ってしまう気持ちはよく分かります。でも、愚痴のインパクトは強いらしく、1回書いただけで、後々までいろいろな人から『あの件どうなったの?』『怒ってたよね~』と言われた経験があります。怒っている人というイメージを持たれたら損なので、それから書かなくなりました」(33歳/広告)
気持ちは分かるけれど、踏みとどまった方がいいという意見です。「愚痴ってすみません」という書き出しをする人も多く、きっと「言わない方がいいとは思うけれど……」という逡巡があるのでしょうね。
公開範囲を設定しては?
「接客業の場合は、いつお客さんが見るか分からないため、全体公開はNGだと思いますが、ごく限られた一部の人だけが見えるように設定しているのならいいのでは。働いていれば悩みもあるでしょうし、仕事についてもあれこれ書きたくなるでしょう。信頼できて、愚痴が共有できそうな同業者だけに公開設定して投稿すればいいと思います」(29歳/飲食)
接客業に限らず、仕事には相手がいるもの。公開範囲を“全体公開”にしての愚痴は、「あえて全体公開にして世に問いたい」と思っていると受け止められかねません。また、仕事の内容が専門的になればなるほど、他業界の人からは意味が分からない投稿となってしまうもの。詳しく書くのならば、公開範囲を限定して、信頼できる人や事情が分かる人にだけ読めるようにするという手もありますね。
相談ならOK
「愚痴だけの投稿を読むのは嫌ですが、淡々と事実を書いた上で、『こういうことがありましたが、私はこう思います。皆さんならどう対処しますか?』というような助言を求める投稿ならアリかもしれません。有意義な意見が集まる可能性もあります」(38歳/出版)
書き手に次へつなげるための前向きな意志があるどうか、という点が印象を左右するようです。集まった意見やアドバイスが、他の人の役に立つかもしれません。
愚痴もノープロブレム
「特に何とも思わない。内容によっては『そんなこともあるんだ』と参考になったり、共感できたりすることもある。むしろ積極的に読みたいと思います」(27歳/IT)
「愚痴は読んでいて気持ちのいいものではありませんが、一概にいけないこととも思いません。勤務先や特定の人を陥れようとするような悪意ある投稿でなければ気にならないです」(31歳/アパレル)
ポジティブな投稿の多いFacebookだからこそ、逆にネガティブな投稿があってもいいという意見もありました。確かに、キラキラした投稿ばかりでは、書き側も読む側も疲れてしまいます。
人間ですので、ついつい愚痴りたくもなりますし、一方で、愚痴らない方がいいかもとも悩みます。Facebookでの愚痴との付き合い方、皆さんはどう考えますか?
兵庫県神戸市在住のライター。1984年11月5日生まれ。ライターとは無関係の短大へ進学、一般企業で5年ほど勤めた後にライターへ転身。女性向けウェブ媒体で恋愛コラムを中心に執筆中。