25歳という若さで女性起業家となった大塚玲奈さん。小学生の頃から環境問題に関心を持ち、「事業として成立させたい」と思い続けていたという。ボランティア精神を軸にした、現在のビジネスを確立させるまでの道のりとは?
リクルート在職中に会社を設立
「入社面接のとき『30歳までに自分の会社を立ち上げたい』って正直に話していました。それでも採用してくださった会社には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです」
25歳という若さで女性起業家となった大塚玲奈さん。小学生の頃に発症したぜんそくがきっかけで環境問題に関心を持つように。「ボランティアではなく、事業として成立させたい」と思い続けた。大学時代は環境問題に関わる研究会を主宰。そして2004年にリクルート入社。
「国際機関を目指すことを視野に入れた就職先と、実業に飛び込むかで悩んでいました。そんなときに交通事故に遭って……。『老い先短い人生、やりたいことをやろう!』と思い直し、起業家の先輩が多いリクルートに入社することにしました」
当時のリクルートは、管理職以上の役職でなければ二足のわらじを履いて就業することが可能。2006年、まずは、念願の会社、株式会社エコトワザを設立する。
「日本にはエコロジーの心と技が詰まった衣食住の品が数多く存在します。最初はこれらをピックアップして海外に伝えるメディアを立ち上げましたが、広告収入は見込めず、海外展示会を企画したり翻訳・通訳などの代行業をすることに。でも質の高い消費活動が『面』で広がらないと環境問題は良くならないという思いが消えず、2013年、思い切って事業転換。サステナブルな生活やビジネスを目指す女性の会員様に、月替わりの体験ボックスを届けるサービスです。厳しい環境基準で日本各地から食品を中心に品物をセレクトし、生産者の取り組みやレシピの解説と共にお送りしています」
ボランティア精神を軸に、利害関係を持たせたマッチング・ビジネス。2015年は従業員を雇わず、新たな第一歩を踏み出すのだそう。その時代に合ったビジネススタイルへと進化を遂げている大塚さん。次なる展開も期待できそうだ。
■会社情報
【社名】株式会社エコトワザ
【資本金】1700万円(自己資本率59%)
【従業員数】3人
■大塚さんの経歴
(23歳)大学卒業/リクルートに入社
(25歳)リクルート在職中に株式会社エコトワザを設立
(26歳)リクルートを退職
■大塚さんに6つの質問
1.起業に際し、苦労したことは?
最初の一歩を踏み出すことが怖かった
2.起業して幸せを感じることは?
長年の夢をかなえたときは気分が高揚しました
3.起業して自分自身が変わったことは?
すべてが自分の責任になります
4.起業にもっとも重要なことは?
踏み出す勇気!
5.今後の展望は?
日本に住む外国人の方をもっと巻き込んでいきたい
6.座右の銘は?
人事を尽くして天命を待つ