オンライン・デーティング・サービスを提供するBadooのCEO代理として、子育てと仕事を両立させながら働くミシェル・ケネディさん。「社員がいかに快適な状態で仕事ができるか」をいつも考えているという彼女は、どのようにワークライフバランスをとっているのか?

1歳9カ月の子を育てるママCEO代理。夢はユーザー数を10億人にすること

Badooには2011年に弁護士として入りました。06年に創立したBadooは、ロンドンを拠点にしたオンライン・デーティング・サービスを提供するソーシャルネットワークの会社です。もともと私がいた法律事務所がBadooと業務関係にあり、企業内弁護士が必要ということで、私に白羽の矢が立ちました。

Badoo CEO代理 ミシェル・ケネディさん

当時、私はオンライン・デーティングについて知識がなく、また一般社会にもそれほど浸透していませんでした。でも私には将来性がある新規事業と思えたので、何の迷いもありませんでした。

現在は弁護士としてではなく、CEO代理として会社の成長・発展に力を入れています。世界中に2億5000万人のユーザーがいますが、私の夢はそれを10億人にまで伸ばすことです。そのため、最新技術を駆使して常に新しいサービスを考えています。今は圧倒的にモバイル環境になっているので、新しいアプリを次から次へと開発しなければ他のSNSとの競争に勝てません。次にやってくる変化がどんなものか、日々わくわくしています。

オンラインで新しい人々と出会い、交流を持つことは一昔前はタブー視されていましたが、この数年で人々の意識が劇的に変化しました。私の友人の中にもオンラインで出会って最終的に結婚に至った人が何人かいます。つまり恋愛がオンラインから始まるということが、より日常的になったということです。

1日3回、オフィスに温かい食事が届く

私は今、会社全体をみる役割も担っているので、社員がいかに快適な状態で仕事ができるかをいつも考えています。フレックスタイムは当然のことですが、オフィスの冷蔵庫には食べ物がストックされており、1日に3回温かい食事が運ばれてきます。パーティーもよく開いて、社員同士や外部の人たちとの交流を深めています。みんなをハッピーな状態にすることが私の役目の一つです。

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ソーシャルネットワークサービス「Badoo」(http://badoo.com/

私は現在32歳で1歳9カ月の男の子がいます。夫も弁護士ですが、長時間労働なので、ワーク・ライフ・バランス(WLB)をとるのは非常に困難。それを可能にしているのは、会社のチームの協力、フレックスタイム、そして自宅でも仕事ができる環境があることです。

何があっても6時退社を死守!

私は何があっても必ず夕方6時までに会社を出て自宅に戻り、子どもを寝かしつけて、7時頃からまた家で仕事をします。家で仕事をしているときはスカイプやGoogleハングアウトを利用することも。家事はできる限り夫と分けていますが、私が会社で仕事をしているとき、子どもの面倒をみているのは私の母親です。近所に住んでいるので私が家にいないときは母親が来てくれるのです。

これほどモバイル環境が発達しても、日本ではオフィスで仕事をすることを要求する会社が多いようです。それはWLBからみると、大きな障害になります。社員を信用し、結果を重視すれば、そういう障害を軽減できると思います。

家族に何か起こって、会社にいることができないときでもメールや電話が使えれば、仕事をすることはできます。ネットがどこでもつながることはWLBをとるのに、もってこいの環境ではないでしょうか。

ミシェル・ケネディ
Badoo CEO代理。法律事務所勤務後、2011年、Badooに弁護士として入社。現在は法務だけでなく、CEO代理として、人事やマーケティングを含めたあらゆる部門を統括する立場にある。