外面磨きも内面磨きも一通り終了――それでも満たされない、迷える女子たちの間で、意識改革をサポートするモノやサービスが流行る予感。一体どんなものなのか?

意識さえ変えれば何でもできる!?

「ネイルも完璧、スタイルだって遜色ない。マナー教室も修了。英国式紅茶の入れ方だって知っている。でもね……」

2016年は、外面磨きも内面磨きも一通り終え、それでもまだグズグズとうまくいかない自分に不満を漏らす女子が、「意識磨き」に走るブームが起こると筆者は予測する。「なんかうまくいかない」ということは、逆に考えれば、意識さえ変えれば何でもできるということだ。

自分磨きの目的は?

しかし、意識を変えるのは、並大抵のことではない。それは、今まで信じていたやり方を180度変えることでもある。自力で変えることができたなら、とっくに人生は変わっている。ではどうしたらいいか。そんな迷える女子たちに「意識改革をサポートしてくれる」「私を導いてくれる(コーチング)」「応援してくれる」「精神を支え寄り添ってくれる」といった、意識に働きかけるモノやサービスが今後は流行るだろう。

すでに予兆はある。一番わかりやすい例はライザップだ。あれは、「肉体改造」という「意識改革」であることは、誰もが気づいているだろう。意識が変わらなければ、あのボディは手に入らない。

では意識改革とはどんなものか。たとえば「コーチング」では、1日~数日間フルーツや野菜のジュースと水のみで過ごす「ジュースクレンズ」もその類に入る。コールドプレスジュースでのファスティング(断食)1日コースは、胃の中を空にして、ジュースを6本ほど飲むわけだが、それしか口にしてはいけないので、慣れていないと途中で挫折しそうになる。

しかし、ジュースには一本一本、飲むべき時間が手書きで記されている(たとえばジョンマスターオーガニックのジュースはそう)。空腹状態のとき、「13時」と書かれたジュースを握りしめると、ダイエットのコーチがそばについて応援してくれている気がしてくるから不思議だ。飲みきった翌日は、「やりきった自分」に昨日とはちょっと変わった感覚を覚える。意識改革のはじまりだ。

手軽な「ロードバイク」、ディープな「星ガール」

応援といえば、日めくりカレンダー「まいにち、修造!」もそうだ。あれも、365日松岡修造というコーチングを受けていることになる。カレンダーなのに、発売からわずか10カ月で100万部に達した大ヒット作だ。2015年秋に第2弾の「ほめくり、修造!」がでた。今度は、「精神を支え寄り添う」カレンダーである。

意識改革ということは、精神を鍛える、ぶれない芯をつくるという意味でもあり、その核となる「魂」の浄化ビジネスも流行るだろう。

イラスト=Yooco Tanimoto

手軽なところでは、「ロードバイク」。お金もかからず、かなりの遠出ができ、なにより健康的で自然と一体になれるので、身も魂も浄化される。すでにじわじわキテいるが、ますます流行るだろう。

ディープな意識改革では、「禅寺の宿坊で修行する女子」「暗闇で宇宙を思う星ガール」の出現などさらに期待できる。先行き不透明で不安定な時代こそ、魂・精神を鍛えて意識改革する女子は増え、それに寄り添い導き、応援するビジネスは深まる。彼氏できない、結婚できない、断捨離できない、ダイエットできない、仕事うまくいかない、人間関係も……などと言っている女子は、すぐ意識改革を。2016年は、新しい自分に出会い行動派になる女子が続出するに違いない。

山本貴代
女性生活アナリスト、女の欲望ラボ代表。専門は、日本とアジア女性の欲望心理行動研究。著書に『晩嬢という生き方』(プレジデント社)など多数。