今年、一段と盛り上がった「サロン・ド・ショコラ」。あまりの混雑に行くのを断念した人もいたのでは? でも大丈夫。魅惑のショコラに出会えるチャンスはまだあります。本記事では2回にわたり、シゴトの疲れを癒やす自分への「ご褒美ショコラ」をご紹介。目で、香りで、食べてうれしい最新のショコラ事情を、高島屋、三越伊勢丹、2人のバイヤーが厳選してお伝えします。
「ご褒美ショコラ」に3万円をかける猛者も!
今年もやってきました、バレンタインシーズン。「そろそろチョコレートを用意しなきゃ」と考えている人は多いのでは?
「プランタン銀座」が行った2016年版のバレンタイン意識調査によれば、「義理チョコや本命チョコを用意する」と答えた女性は約7割。義理チョコを贈る相手は、上司、同僚、父親がトップ3で、平均約13個のチョコレートを準備予定なのだとか。
一方、ここ数年は自分に贈る“ご褒美ショコラ”を買う女性も増え、先の調査でも約6割が「買う予定」と回答。予算では自分用チョコが最も高く平均3359円。3万円まで奮発するという女性もいるようです。
実際、デパートで催されるバレンタインフェアでも自分用チョコの需要が拡大。今年は2月14日が日曜日のため、さらにその傾向は強まると予想されているのです。
今年のバレンタインで、見逃せない企画、食べておくべきショコラはなんでしょう? 高島屋と三越伊勢丹、2人の女性バイヤーに話を聞きました。
『ガラスの仮面』とのコラボが話題!
高島屋「アムール・デュ・ショコラ」
全国9店舗で開催される「高島屋」の「アムール・デュ・ショコラ」では、女性ファンの多いベストセラーコミック『ガラスの仮面』とのコラボレーションが話題です。
「『紫のバラの人』にちなんだ、紫のバラのオリジナルチョコレートが高島屋の全店舗で販売されるほか、「新宿店では11階特設会場に『ガラスの仮面カフェ』がオープンします。メニューには、ここでカフェ利用をした方だけが知ることのできる、サプライズが用意されているんですよ」こう話すのは高島屋のバイヤー、森下由佳子さん。
さらに、同じく新宿店では「1粒ショコラショップ」も登場します。約15ブランド・50種類のチョコレートを1粒単位で買うことができるので、“本命買い”を決めるためのテイスティングをしたり、あれこれ食べてみたいという人にもうれしい企画です。
ホットチョコレートの蛇口が登場
伊勢丹新宿店「#チョコレート自由宣言」
「Chocolate Declaration of FREEDOM(#チョコレート自由宣言)」というテーマを掲げているのは「伊勢丹新宿店」。
「パッケージやデザインにこだわったアートなチョコレート、先進の技術とショコラティエの技が融合したチョコレート、さまざまなマリアージュが楽しめるチョコレートなど、テーマの通り、もっと自由に、思いのままに楽しんでいただける商品をセレクトしました」とバイヤーの川西恵理子さんは言います。
「伊勢丹新宿店」6階の特設会場では、販売するチョコレートを昨年の約60ブランドから約80ブランドに拡大。うち半数を新規ブランドに入れ替えています。会場では蛇口から注ぐホットチョコレートドリンク(!)がお目見えするというから、それもまた楽しみです。
次ページでは、そんなデパートのバレンタイフェアで、自分に贈る「ご褒美ショコラ」のお薦めを、バイヤーの2人にセレクトしてもらいました。
自分に贈る「ご褒美ショコラ」
高島屋~「デュ・ロンヌ」
「自分のために買うチョコレートは、味、デザイン、それに特別感があることもポイント。日本初上陸やバレンタイン限定の商品をお薦めしたいですね」というのは高島屋のバイヤー、森下さん。中でも、ジュネーブの老舗ショコラトリー「デュ・ロンヌ」が手がけた“ビークッシュ・ホワイト”が今年のイチ押しとか。
「『デュ・ロンヌ』の商品が日本で販売されるのは初めてのこと。しかもこれは、高島屋のためだけに考案されたスペシャリテです。フレーバーは4つそれぞれに違い、どれもプラリネとガナッシュの2層仕立て。デザインも洗練されていますよね」
三越伊勢丹~「ラデュレ」
一方、「三越伊勢丹」のバイヤー、川西さんが選んだのは、「ラデュレ」のショコラマカロン“コフレ・リーズ”。「エレガントなパッケージで女性に人気の『ラデュレ』の中でも、この商品は伊勢丹新宿店限定。ヴァイオレット、フランボワーズ、ピスタチオ、ローズという4種の風味を一つひとつ味わう楽しみもありますね」これもまた、味、デザイン、特別感の三拍子揃った佳品というわけです。
次ページでは「香り」がキーワード。見逃せないスペシャルフレーバー、2名の女性ショコラティエの限定商品をご紹介!
女性ショコラティエは花、柑橘……「香り」に注目!
こうした“日本初上陸”“限定オリジナル”というキーワードに加えて、「ショコラティエール(女性ショコラティエ)」もご褒美ショコラのキーワードになると両バイヤーは奇しくも口を揃えます。
高島屋~「アメリア・ロペ」
例えば、高島屋の森下さんが推薦する「アメリア・ロペ」は、ショコラティエールが手掛けるイギリスの人気ブランド。一口で頬ばれるキューブ型のフォルムが愛らしく、カラフルな包装もキュート。さすが女性シェフと頷きたくなる一品です。
しかも、ショコラティエールのロペ氏はアロマテラピストの経験を持ち、チョコレートもコーヒー、ローズ、ライム&シーソルトなどの香りがふわり。心まで癒やしてくれる、やさしい味わいなのです。
三越伊勢丹~「アリーヌ・ジェアン」
対して、三越伊勢丹の川西さんがセレクトしたのは、フランス・アヴィニヨンのショコラブティック「アリーヌ・ジェアン」。名門「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」出身のジェアン氏は、才色兼備なショコラティエールと評判です。
「体力のいるショコラづくりの世界はこれまで男性社会と言われていましたが、近年は女性シェフの活躍も目立つようになりました。その先頭を走る一人が彼女。自然の花を香りや彩りとして生かすなど、女性ならではのセンスがショコラから感じられます」
そのジェアン氏は「女性のショコラティエとして意識することは?」との質問にこんな回答を寄せています。「男女差は特にないと思いますが、シンプルに丁寧な仕事をすることが私のモットーです。チョコレートが好きという情熱が最も大切なことだと思います」(伊勢丹新宿店「サロン・デュ・ショコラ」の公式HPより)
女性ショコラティエが生み出すチョコレートは、同じ働く女性へのエールにもなるでしょう。
1月28日(木)~2月14日(日)※最終日は午後6時終了
11階特設会場で開催
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
電話:03-5361-1111(代表)
<伊勢丹新宿店/スウィーツコレクション>
2月3日(水)~15日(月)※最終日は午後6時終了
本館6階催物場で開催
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
電話:03-3352-1111
ライター。1年半のOL生活を抜け出し週刊誌の記者となった後、フリーに。食や住まいなど生活に関わる分野で執筆。dancyu誌での執筆は1993年から。仕事と両立してきた子育ては卒業間近。