大切なクライアントとの会食、新しいプロジェクトのキックオフ、良質な店のランチタイムで仕切るのが、デキるビジネスパーソンの手。大人の店選び&利用法を、「dancyu」誌で活躍のライター・鹿野真砂美さんが紹介します。

ビジネスランチのメリット3つ

会食を成功させる重要なポイントである店選び。クライアントが好きなジャンルや、嗜好があらかじめ分かっているなら安心、しかし、必ずしも、そうした事前情報が得られるわけではない。そんな時でも、おもてなしの心はしっかりと伝えたい。

おいしい食事と、気の利いたサービスで、気持ちよく商談へと進むために、ぜひお薦めしたいのが、ビジネスランチだ。それも、中国料理で。なぜ中華なの? は後に説明するとして、まずは、ビジネスランチのメリットを挙げてみたい。

一番は何といっても、夜に比べて断然、コストパフォーマンスがよいこと。高級店のコース料理も、ランチはリーズナブルに設定しているところが多く、しかも税金やサービス料も込みになっていたりする。

加えて、ランチならば「お酒を飲まなくちゃ」というシチュエーションになりにくく、その分、出費が抑えられるのも嬉しい。女性が男性のクライアントを招く場合でも、アルコールなしなら気楽というものだ。

さらに、アルコールが入らなければ、ダラダラと長くなることもないし、お互い、業務に戻る必要があるので、時間を区切ってメリハリよく終えることが可能。貴重な夜の時間を割いて、さらに二次会、三次会と連れ回されるような、ひと昔前のシチュエーションは、もはや誰も望まないはずである。ビジネスランチは、招く側も、招かれる側も、忙しいビジネスパーソンにとって有効な時間術だと言えるだろう。

店選びの4つのオキテ

そして、肝心の店選び。招く上で大切な4つのオキテを紹介しよう。

■オキテ1■ 立地のよさ

個人の会食であれば、人気や話題の店なら都心から外れた少々不便なエリアでも出かけていくし、穴場的な楽しさが加味されるけれど、ビジネスでわざわざ先方に足を運んでもらうことを考えれば、まず、立地がよいことが大前提。分かりやすい場所であるほうが、移動の時間や、そこへ向かうための下調べなどの手をわずらわせずに済む。

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大切なクライアントと、商談ありのビジネスランチなら個室予約を。プライベートな空間で心地よいサービスが受けられる。

■オキテ2■ 個室がある

店は、商談をふまえて個室を備えていることが望ましい。個室料金を払う店でもランチであればトータルで大きな出費にはならないし、中には、ランチタイムは個室料金をとらない店もある。

■オキテ3■ サービスとホスピタリティの快適さ

気持ちのよいサービスを受けられることは大前提だが、こちらの状況を察して、付かず離れずの距離感をもって対応してくれる店であれば最高だ。そこに、緊張をほぐすための、適度なホスピタリティがあれば、もう言うことはない。

■オキテ4■ ランチであっても予約がとれる

最後にもちろん、予約が可能なこと。大切なクライアントを人気店といえども行列に並ばせる訳にはいかない。ランチ予約は“コースのみ受け付け”など、制限のある場合が多いが、先のメリットでも挙げたように、コストパフォーマンスがよいので、制限があったとしても、使い勝手のよさに変わりはない。

中国料理がお薦めなワケ

そんな都合のいい店、日頃からリサーチを重ねていなきゃ、見つからない! なんて声が聞こえてきそうだけれど、そこでイチオシしたいのが、中国料理なのである。街場の小さな店から高級店、広東、四川、北京……など、中国料理と一口に言っても、店の形態やジャンルはさまざまだが、ここで取り上げたいのは、街の中心に位置し、席数も備えた高級店だ。

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高級店でのおもてなしなら、シックなシノワズリーの設えも演出の一部。落ち着いた雰囲気でクライアントとの会話もゆっくりと。

中国料理のよいところの一つとして、高級店でもかしこまり過ぎないところが挙げられる。丸テーブルをぐるりと囲むだけで、自然と打ち解けた雰囲気に持ち込めるから不思議だ。加えて、シノワズリーな店構え、テーブルセッティングなど、西洋のゴージャスとはまた違う、異空間も楽しめる。

何より、他のジャンルと比べて、中国料理が苦手という人はあまりいないのではないか。しかも高級店であれば、料理は店側で取り分けてもらえるし、大皿の料理を「お先にどうぞ」とぐるぐる回して気を遣い合うストレスもない。

前菜から、点心、炒めものといった、多彩な料理をテンポよく提供してもらえるのもうれしい。空間や料理を通して場は和み、会話も弾む中、デザートあたりでスムーズに具体的な商談へと持ち込むことができるに違いない。

では私、シカノがお薦めしたいお店とは? 次記事から、絶対にハズさない中国料理の佳店を3店紹介します。

【広東料理「ウエスティンホテル東京 龍天門」の王道】
http://woman.president.jp/articles/-/808

鹿野真砂美

ライター。旅行誌などの編集を経てフリー。大好きな食の分野を中心に活動中。dancyu誌での執筆は1998年から。合間で6年ほど編集部にも在籍し、さまざまな食の記事を手がけた。レシピ本の制作にも携わり、最近では「銀座 マルディ グラのストウブ・レシピ」(世界文化社)の文・構成を担当。おいしいものをつくること、食べることが生きがい。