仕事、家庭生活、お金、親子関係……、さまざまなお悩みに、新刊『決めた未来しか実現しない』が話題の本田健さんと、PRESIDENT WOMAN Onlineの連載「WOMAN千夜一夜物語」でおなじみのコラムニスト河崎環さんが回答する人生相談、連載第4回は「ワクワクするということ」に関するご相談です。
「ワクワクすることをやってみる」とよく聞きますが、そのワクワクすることが何かが分かりません。どうしたらよいでしょうか?
静かに楽しいなぁという感覚を積み上げる
【本田健さんの回答】
「ワクワクすること」は、大げさに考えるとよく分からなくなります。特に、頭のいい人、感じるのが苦手な人は、自分のワクワクが分からないと言います。それは、ワクワクは、心で感じるものであり、ボッーとしていると、それがワクワクだと気がつかないからだと思います。
けれど、日常生活を見ていくと、どんな人でもワクワクする瞬間は、そこかしこにあります。朝起きて自分の好きなハーブティーを飲むとき、会社で同僚とたわいもないおしゃべりをしているとき。ランチ休憩に本を読んでいるとき。夜、友人と映画に行ったり、カフェでお茶をしたりしているとき。子どもがおもしろいことを言って、一緒に笑ったとき。パートナーと今日起きたことをお互いに話すとき。そんな瞬間に、人は幸せを感じています。
ワクワクは、決してアドレナリンが放出して、ずっとハイな状態になることではありません。静かに「楽しいなぁ」という感覚が続く感じです。
日常的にワクワクが続いている人と、そうでない人の差は、時間とともに大きく開いていきます。ワクワクすることを毎日やっている人の人生は、いろんなものが積み上がっていく人生だからです。日常のごくささいなことに、楽しいこと、ワクワクすることを見つけてください。あなたにも、うれしいなぁ、楽しいなぁと感じていることがきっとあるはずです。
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2000万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は680万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/
「熱くなれ!」という声に惑わされない
【河崎環さんの回答】
そうなのです、ワクワクすることを探すのも簡単ではありませんが、そもそもワクワクというのがいったい自分のどういう状況を示すのか、経験がないとまったく想像がつかないのがオノマトペ(擬音語・擬態語)の難しいところです。私は頻繁にワクワクしがちな、落ち着きに欠ける人間なもので、すぐに血圧がゴオーッと上昇し、「うおお」とか「すげー」と声が出たり、対象にぐっと近づいてよく見たり聞いたり(なんなら嗅いだり味わったり)したくなってしまいます。ホント、こういう人間って暑苦しいし、全般的に「迂闊(うかつ)」なので、人生の失敗に事欠きません。
ですから、ワクワクなんて安易にしないほうがよほど冷静沈着な、ヘタを打たない人生を送れるのではないかと質問者の方をうらやましく思うほどです。感情の起伏が緩やかで、物事をゆったりと観察して、自分なりの感想を持つ。ちょっと興味を引かれたら、試しに自分もやってみる。向いてないなと思ったら、そっとやめる。気に入ったら、もういいやと思うところまで継続してみる。それで十分ですよね。そういう瞬間があったら、きっとそれがあなたの「穏やかなワクワク」です。どうも声が大きい人たちって、すぐ他人に「熱くなれ!」とか「生きがいを見つけろ!」とか、大げさに号令をかけたがりますが、あれはたき付けてないと自分が死んじゃう厄介な人種ですから、言わせておけばいいんです。もとが冷静な人々は、ゆるやかに穏やかに生きましょう。
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。