“バリ”でも“ゆる”でも、結婚や出産など、さまざまなコトが訪れる女の人生。事情が違えば働き方も変わるはず。あなたのライフスタイルに合った仕事を探せるツールはどれ?
TOOL 03:Waris
▼Waris(雇用形態にこだわらず能力と経験を発揮したい!)
登録者数:約1000人(社会人経験10年以上かつ人事や広報など文系ホワイトカラーの経験者、平均年齢38歳)
登録企業:約300社(「週3日出社、残りは在宅」など、フレキシブルな働き方が見つかる。病児保育サービスと提携も)
●マスコミ関係クリエーターからコミュニティーサイト運営(在宅中心の業務委託)へ
【フリーランス/吉村詩子さん(仮名・37歳)のプロフィール】
1977年生まれ。大学卒業後、大手出版社で消費者向け情報誌の編集に携わる。その後、マスコミ関連企業に転職し、夢だったクリエーターに。妊娠・出産を経てフリーランスにキャリアチェンジ。
●在宅勤務中心で、子どもとの時間が充実
現在、在宅中心でウェブサイトの原稿を週2~3本書きつつ、コミュニティーサイトの企画運営も請け負っている吉村さん。前職では徹夜や土日も勤務という激務だったが、「やりたかった仕事で、楽しくて仕方なかった」。長男を出産して1年後に復帰。時短勤務をしつつ「子どもがいてもやれないこともないな」と、第2子を出産。復帰する気満々だったが、長男が保育園に落選。ほかを探した結果、毎月計18万円の出費となることが判明。そこまでして働くことに疑問を感じ、また「前の仕事に戻っても、これまでのようにバリバリ夜中まで働けない。いずれは働き方を変えなきゃ」と考えていたため、潔くキャリアチェンジを決断。同じく2児の母である後輩には「18万円は投資だと思って続けて」と懇願されたが、子ども優先に考え、「雇用形態にこだわらず、柔軟な働き方」を求めてWarisに登録。
刺激に満ちた前職に比べ、いまはルーティンワークもあるが、母親向けサイトの企画運営は、身近でやりがいもある。「当面はこの働き方をつづけるつもり」と、子どもたちと豊かな時間を確保しながら働ける生活に満足そうだ。
TOOL 04:ママ薬
▼ママ薬(薬剤師の資格を活かしたい!)
登録者数:非公開(薬剤師の資格を活かしたい人、平均年齢37~38歳)
登録企業:約5000件(業界経験10年以上のベテランコンサルタントが面談を実施。調剤実技研修でブランクをサポート)
●出産で一時ブランクから調剤薬局パートへ
【とよおか調剤薬局/末吉有紀さん(32歳)のプロフィール】
1982年生まれ。大学卒業後、地元・福岡県の調剤薬局で正社員として勤務。結婚後、ご主人の転勤で愛知県へ転居し、薬局にてパート勤務。妊娠9カ月で埼玉県入間市へ移るのを機に仕事をやめ、約2年後に再就職。
●子連れで面談、2年のブランクでも希望通りに内定
23歳から30歳まで、薬剤師として働いてきた末吉さん。ご主人が転勤族でも、資格を活かして引っ越し先で職を得てきた。妊娠9カ月まで働いたころ、また引っ越すことになり、一時休業。出産を経て、「そろそろ働きたいな」と思ったときに業界誌の広告にあったママ薬を思い出し、登録。「2年ものブランクがあって不安でしたが、プロが相談に乗ってくれるというので、すがる思いでした。しかも子どもが小さいので、柔軟に働ける先を探したい、扶養控除の範囲内で働きたいと、ワガママな希望で」と振り返る。
登録した翌日にはコンサルタントから電話が来て、子連れで面談。「相手は男性でしたが、地元の保育事情にも詳しくてざっくばらんに何でも話せ」、希望通りの薬局に内定。息子さんも薬局のすぐ裏の保育園に入園でき、現在1日4時間週3日のペースで働いている。
「生活にメリハリがつき、経済的にもプラスになり、心に余裕もできました。子どもと離れることで、わが子がよりいとおしくなって(笑)」。しばらくはこのペースで、薬剤師として長く働きつづけるつもりだ。
TOOL 05:ランサーズ
▼ランサーズ(地方でも海外でもフリーランスで働きたい!)
登録者数:42万人(7割は地方在住者、海外在住の人も)
登録企業:11万社(ゴ作成などのデザインからデータ入力まで141カテゴリーの仕事がある)
●専業主婦から翻訳業(フリーランス)へ
【フリーランス/ジェームス 歩さん(37歳)のプロフィール】
1977年生まれ。5歳、3歳、11カ月の3児の母。結婚前はIT企業で品質保証を行うエンジニア。2008年、結婚を機にアメリカ・バージニア州へ移住。友人の勤める企業で翻訳のアルバイトなどをしつつ、14年ランサーズに登録。
●6年のブランクからの復帰、語学力を活かして働く3児の母
結婚を機に6年前に渡米して以来、専業主婦として家事育児に追われていたというジェームスさん。「ようやく時間に余裕がもてるようになったので、仕事をしたい」と、仕事探しを開始。現地にはハローワークのような機関や求人情報誌などはなく、お姉さんが利用していて薦められたのがランサーズだった。
現在、受注しているのは、ウェブサイトの英訳、和訳が中心で、稼働時間はほぼ毎日2~4時間。すべてネット上で完結するという仕事方法に、ジェームスさんも最初はとまどったが、次第に慣れた。「距離的には離れているものの、クライアントやランサーズとの連絡も常にスムーズかつ的確にとれ、信頼感も高い。作業するたびにその作業が評価され、さらに別のクライアントから直接依頼が来るのがいい」と満足そう。
結婚前はIT企業で品質保証を行うエンジニアとして専門スキルを発揮し、充実度が高かった。そのため、現状を一時的な働き方と受け止め、「将来はエンジニアとしてフルタイムで働きたい」と希望している。