“バリ”でも“ゆる”でも、結婚や出産など、さまざまなコトが訪れる女の人生。事情が違えば働き方も変わるはず。あなたのライフスタイルに合った仕事を探せるツールはどれ?
きめ細かな女性向け求人サイト
インターネットの求人サイトのいいところは、家にいながらお仕事探しができること。在職中に転職したいと思い立ったり、出産退職して無職状態から抜け出したいと考えている女性にとって、便利なことこのうえなし。
これまでの大手求人サイトでは、職種や勤務地、年収など希望条件を入力し、それにマッチする求人がリストアップされ、企業に直接ウェブエントリーする、というのが一般的な流れ。一方、最近登場した女性向け求人サイトは、コンサルタントと面談をして希望の働き方を詰めていき、企業を紹介してもらい、さらに転職後のフォローも……というきめ細かさがウリのところが多く、利用価値大。コンサルタントと二人三脚で転職活動に臨むことで、理想の働き方を手に入れられそう。企業からの直接スカウトでも、ランチしながらのフランクな面談で企業理解を深められるよう橋渡しをしてくれるビズリーチ・ウーマンのようなサイトも。
では、サイト選びのコツは? ダイバーシティコンサルタントの藤井佐和子さんは「まず、自分はどういう働き方、生き方をしたいのか、キャリアアップして管理職になりたいのか、育休後の社会復帰のきっかけにしたいのか、目指す方向を明確にしたうえで、自分に合ったサイトを利用しましょう。コンサルタントから的確な助言をもらうには、自分の方向性が定まっていることが大事」とアドバイスする。
藤井さんが勧めてくれた求人サイトの活用法は、「情報収集」。転職を考えていない人でも、エントリーしておけば条件に合った求人案内が来るので、「自分が求める条件ではこんな業界のこんな職種が多いのか」など、世の中のトレンドが見えてくる。
「今ある求人と比較することで、自分の会社や仕事を客観的に見られるようになり、市場価値もつかめます。日本では何かあったときに転職活動をスタートすることが多いですが、海外では現状に不満はなくても、自分のスキルアップのために常に転職を視野に入れています。不動産物件と同じで、いますぐの引っ越しを考えていなくても、いざというときに慌てなくてすむよう“相場観”をつかみ、目を肥やしておくといいでしょう」(藤井さん)
TOOL 01:ビズリーチ・ウーマン
▼ビズリーチ・ウーマン(管理職を目指したい!事業を立ち上げたい!)
登録者数:3万人以上(管理職やリーダー志向のある人)
登録企業:2700社(企業とヘッドハンターの双方からのスカウトメールがもらえる)
●モバイル系広告代理店からITベンチャー企業へ
【ビヨンド/村井愛子さん(32歳)のプロフィール】
1982年生まれ。高校卒業後、システム会社でアルバイトの後、映像会社で映画情報サイトの企画・編集。アルバイト→契約社員に。正社員としてシステム会社、モバイル系広告代理店などを経て、スマートフォンアプリの企画・開発会社ビヨンドへ。
●転職のたびにキャリアアップしてきた“立ち上げ屋”
「今、一緒にiPhoneアプリをつくれるエンジニアを探しているんです!」。開口一番、そう言った村井さんには、「労働時間」なる概念はない。四六時中、責任者となって進行中の新規事業のことを考えている。
高校卒業後、システム会社でのアルバイトを皮切りに、転職を重ねる過程で着実にスキルを磨いてきた。前職でも、事業立ち上げを任されたが、大手企業の資本が入っていたため、自由度に制限があった。もんもんとするなか事業は思うように伸びず終了。
そして「組織規模が小さくなっても、機動力が高い会社でゼロからやり直そう」と退職し、複数の求人サイトに登録。そのひとつがビズリーチ・ウーマンだった。
数社から直接スカウトメールを受け、“普段着で”ランチしながらトップと面談。「思いを共有できそう」とビヨンドに入社を決意。300人の会社から13人の小所帯に移ったものの、給与は約2割アップ。仕事をする環境も「100%自由」に。一方、法律関連の書類作成も人の調達もすべて自分でやるなど、予想以上の厳しさに直面中。「今が踏ん張り時」と、新サービスの4月開始に向け、まい進中だ。
TOOL 02:LiB
▼LiB(正社員で働きつづけたい!)
登録者数:約1万1000人(過去の最高年収が400万円以上の人)
登録企業:約100社(希望条件を複数登録でき、好みのキャリアコンサルタントを選べたり、企業への応募やスカウトが受けられる)
●IT企業の営業からIT企業の営業企画へ
【リブセンス/新馬場梨菜さん(29歳)のプロフィール】
1985年生まれ。大学卒業後、大手情報サービス会社に就職。その後IT企業に転職し、広告代理店向けに営業を担当。3年間の勤務を経て、求人サイトや不動産情報サイトなどを運営するリブセンスへ。
●3週間でのスピード転職、毎月の残業が8分の1に!
転職を決意してから内定まで、3週間という超スピード転職を果たした新馬場さん。前職では多忙時はタクシーで深夜2時に帰宅、朝10時に出勤の日もあり「この生活を30歳になるまでにどうにかしたい。プライベートの時間も充実させたい」と転職を決意。LiBのサイトでワーク・ライフ・バランス型の希望を入力、サイト経由で自ら選んだコンサルタントに伝えたのは「ネット系で自社媒体をもっている」「残業月20時間、給与は前職を維持」というなかなかキビしい条件だったが、無事理想の職場と出会えた。
「的確なアドバイスのほか、転職先の社内リサーチもバッチリ。入社当日には花が贈られてきて……」とコンサルタントの実力と配慮に感激の様子だ。
転職先では営業組織が立ち上がったばかり。「どうしたらみんなが働きやすくなるか、どんな営業ツールがいいか、ゼロベースで考えていくのが楽しい」とやりがいを語る。残業は前職の60~100時間が10~20時間に激減。給与も「年間10%アップ」。充実度は「50点が90点」に。仕事もプライベートも、幸せに満ちた30代を送れそうだ。
キャリエーラ代表。メーカー勤務後、大手総合人材サービス企業にて、女性を対象に多数の転職を支援。独立後は、延べ1万3000人以上のキャリアカウンセリングを行う一方、企業に対しても人材育成支援を行う。