働く既婚女性の6割が夫にNOを突きつけている事実。しかも、結婚年数がたてばたつほどNOの率は高くなるという非常に残念な結果に。働き続けたい女性が理想の結婚生活を手に入れるためには何ができるのでしょうか。

結婚前にチェックすべきは?

「大切なのは、働く自分を応援してくれそうで、なおかつ将来有望な男性を選ぶこと」(夫婦問題研究家・岡野あつこさん)

では、結婚前にどうやって未来の「有望株」を見極めればよいのか。

離婚妻のリョウコさんは「入籍する前に、第三者の意見を聞けばよかった」と今も悔やむ。なにしろ結婚までの交際期間は1カ月、お互いの家族に会うのがやっとだった。でももし元夫の学生時代の友人を紹介してもらったり、自分の女友達に品定めしてもらっていれば、元夫の「かまってちゃん」な性格や姑息な一面も、ある程度わかっていたかもしれない。

「男性だって、結婚前は猫をかぶるもの」と岡野さんも断言。本性を見抜くのに、自分1人の目では足りない。数々の夫婦を見てきた有識者や仲人経験豊かな人など、第三者の目を通すのが有効だという。その際、チェックすべきは「柔軟性」。相手がいろんな人の意見を受け入れられる男性か、話し合えば問題解決できる人物か。周りの協力も得て、丹念にリサーチすることが大切だ。

「会ってから帰るまで、話の内容や態度をじっくり観察するんです。結婚後も働く前提なら、浮かれた気分で付き合ってちゃダメ」(岡野さん)

不仲妻のミキさんは、自分や子どもの体調が悪いときも夫がサポートしてくれないと嘆く。「必死で起き上がって『果物を買ってきて』とお願いすると、『何がいい?』とは聞かず、『オレが食べたかったから』と、一方的にビワを買ってきた。心底失望しました」

優しさではなく「思いやり」があるかどうかは、重要な見極めポイントだ。体調を崩したとき、単に優しいだけの男性でも、「大丈夫?」と聞くことはできる。でも思いやりのある人は、風邪薬を買って来るなど、行動が伴う。

「そういう男性は、結婚後も一歩先を予測して動ける。『これを言ったらケンカになるだろう』など、先々を考えて行動できる人です」(岡野さん)

結婚後でも間に合う!夫の“使える化”

結婚後も工夫次第で円満妻になれる。1つは、ものの言い方。多くの男性は、頭ごなしに感情をぶつけられるより、論理的に説明してもらうほうが納得しやすく、家事・育児も、「仕事」と似た感覚でとらえやすい。したがって掃除を頼むなら、たとえばこんな言い方。

「私が洗い物をしている間に、あなたが掃除してくれたほうが効率がいいと思うんだけど、どうかな」

会社が、社員一丸となって業務効率アップを図ったり、3年後、5年後の計画を立てるのと同様に、夫婦も、2人で一緒に家事・育児の効率化や「この先どうしたいか」を論理的に、楽しく話し合う。そこで夫が協力してくれたら、大げさなぐらい、褒めたり喜んだりしてあげるのがいい。

この点は「子育て」と同じで、「見方を変えれば、夫は第1子の練習台。“長男”を育てるつもりになればいい」と岡野さん。少々面倒だが、0歳児に接するつもりでいれば、家事が雑でも腹は立たない。その積み重ねで、夫を「使える化」できれば一挙両得ではないか。

家事・育児の意識が高いパパたちと、交流させるのも手。結婚7年目の佐藤士文(しもん)さん(37)は、自他ともに認めるイクメン。4年前、妻が現在3歳の長男を妊娠中、以前勤めていた精密機器メーカーで、7カ月の育休を取った。社内で、男性の育休取得者・第1号。

佐藤さんの父親は「男が皿なんか洗うか!」と怒鳴るような、昔ながらの頑固おやじ。反面教師にしなければと考えていたとき、妻の勧めで通い始めたのが、横浜・関内の「イクメンスクール」だった。2カ月間に全5回の講座(2期生)で、参加者は約35人のパパたち。2年前には、そこでつながった「パパ友」と、父親育児の大切さを世に広めるNPO法人・全日本育児普及協会を立ち上げた。今は父親学級の開催や関連セミナーの開催などに奔走する。

「初めは、恥ずかしそうにしている男性も多い」と佐藤さん。妻に「イクメンになって」と無理やり送り込まれる人も多いという。ところが彼らも、意識の高いパパたちと交流するうち、徐々に目の輝きが変わってくるそうだ。

浮気、マザコン、オレ様…それでも夫を許せる理由

既婚であれ未婚であれ、忘れてはならないのは「自分にとって、理想の結婚とは何か」を問い続けること。結婚後をリアルに想像することなく、「価値観が合う」「安心できる」など漠然と相手を選べば、リスクも大きい。

逆に、「年収は低くても私が稼ぐから、夫には家事・育児をやってほしい」など理想の結婚像を描ければ、それを実現できそうな「有望株」を発掘し、周りの力も借りて「育てれば」いい。

先を見て選んだ相手なら、ある程度は理想と違っても納得できるだろう。

先の不仲妻・ミキさん。夫への不満は、「浮気」「マザコン」「オレ様」「夜が遅い」「子どもが泣いてもスマホ」……など枚挙にいとまがない。

それでも、こう割り切っている。

「2人も子どもを産んで、理想どおり東京で働けているからいいんです」

結婚前から、どうしても子どもが欲しかった。転勤がなく、首都圏に実家がある健康な夫を選んだのはそのため。だから夫と不仲でも、どんなに不満が多くても、まだやっていけると笑う。

あなたにとって、「理想の結婚」とは何か。ぜひ考えてみてほしい。

調査概要:楽天リサーチの協力を得て、インターネットで調査を実施。調査期間は2014年8月27日~29日。調査対象は全国の20代後半~40代の働く女性1000人。

「Q.生まれ変わっても今の夫がいい?」YES派の「円満の知恵」
・同じ趣味をもつ。[35歳/結婚5~7年]
・悪い点を見つけても、生活に支障がなければスルー。[40歳/結婚16~20年]
・いつも笑顔で機嫌よく。おいしいご飯をつくる。[37歳/結婚16~20年]
・ネガティブなことを言うときは、言い方やタイミングを考える。[36歳/結婚2~4年]
・自分を磨く。太らない、太らせない。[37歳/結婚8~10年]
・相手に期待してはいけない。協力してくれたら大げさに喜ぶべし。[40歳/結婚1年]
・他人と暮らすのは難しい。すべての結婚は「国際結婚」だと心得るべし。[45歳/結婚11~15年]
「Q.生まれ変わっても今の夫がいい?」NO&離婚した派の失敗に学ぶ「教訓」
・義理の両親とは絶対に同居しないこと。[32歳/結婚5~7年/NO]
・結婚前の違和感は、結婚後には後の祭り。[33歳/結婚5~7年/NO]
・結婚すれば幸せになれるというわけではない。[48歳/結婚26年以上/NO]
・理想と現実は違う。[38歳/離婚]
・家事は最初に分担しておくこと。家計は絶対妻がもつべし。[34歳/結婚8~10年/NO]
・男も、結婚をするために猫をかぶっている。[36歳/結婚8~10年/NO]
・急いで結婚することはない。結婚前に同棲すべし。[44歳/離婚]