限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……

第1子出産後、短大で栄養学を勉強しながら、仕事に子育てにと多忙な日々を送っていたという阪下千恵さん。育児や家事に加えて朝早くから実験の準備、授業の空き時間に仕事のレシピ作成など、早朝から夜遅くまでやることがぎっしり。そういった経験から、時間を管理するために“前倒し締切”を常に心がけているという。

料理研究家 栄養士 阪下千恵さん

「自分のところで仕事を止めない。何か連絡があったら、できるだけ早く返事をする。自分の持ち時間は少なくして、相手の持ち時間を増やすようにする。そうすると、結果的に自分の持ち時間が増えて心に余裕ができ、次の仕事も円滑に進むようになったんです」

仕事、子ども、ママ友などとの予定も優先順位をつけず、“予定は先約優先”を大事にしている。「先に決まった予定が入っていたら、仕事であってもずらしてもらう、ダメならあきらめる。そのほうが相手をイライラさせることがなく、自分にもストレスがたまらないんです(笑)」

朝4時半、自分時間に全仕事の下ごしらえ

撮影がある日の朝は4時頃に起きる。家族が起きるまでは、誰にも邪魔されない時間だという。この時間を活用して撮影準備やレシピ作成などをし、規則正しい生活を崩さないようにしている。家族の予定管理はカレンダーを利用。書かれていることは家族内での了承事項とし、協力し合っている。

■阪下さんの1週間

【平日】
04:00 起床
04:00 メールチェック、返信、撮影の段取り確認、準備
06:00 子どものお弁当を作る、朝食を作る
07:00 家族起床。一旦自分の作業は中止、朝食の用意、洗濯など
08:00 長女を送り出し、次女を幼稚園へ、掃除など
08:30 撮影の下準備、調理開始
10:00 撮影
18:00 次女のお迎え
18:30 夕食の支度
19:00~20:00 夕食、次女の入浴、寝かしつけ、夕食の片付け
21:00 翌日の撮影準備や段取り確認
22:00 就寝
【土曜日・日曜日】
基本的に家族と過ごす。掃除や洗濯などゆるりとした家事をする

■時間管理の鉄則3カ条

1. 予定は先約優先。相手との関係が良好になりストレスもたまらない
2. 朝時間を有効に活用。忙しくても規則正しい生活を崩さない
3. カレンダーで予定を管理し、家族とも共有する

阪下千恵
大手外食企業、無農薬・有機野菜・無添加食品などの宅配会社を経て独立。 現在は、書籍、雑誌、企業販促用レシピの開発、HP、TV等の料理レシピ作成、食育関連講習会など幅広く活動。『レンジでかんたん!塩レモンレシピ』(新星出版社)など著書多数。