保育園を考える親の会は今年3月、働く親たちの小1の壁対策本として、『「小1のカベ」に勝つ』(実務教育出版)を出版しました。子どもが小学生になったら、少しはラクになるかと思ったら、思いがけない落とし穴があった。そんな泣き笑いの小学校入学体験を、24人のメンバーが書きつづったものです。
この本の編集にあたって思ったのは、「壁」は多様、それを乗り越える知恵も多様だということ。そして何より、「やがて子どもは育つ。なんとかなる!」という大きな心をもつことも必要だということでした。
ここでは、本書の裏表紙に掲載された「小学校1年生あるある」を少しアレンジして、現在、小学校のミラクルワールドにはまって溺れそうになっている父と母たちにエールを送ります。
□ 「明日ペットボトル」と言われ、コンビニに走る夜(>_<)
□ ランドセルの底から蛇腹に折れたプリントが~_~;
□ 筆箱のエンピツ。なぜか全部折れている~_~;
□ 買った国語ノート。マス目の大きさ違うっ(>_<)
□ 突然の集金。家中の小銭をかき集め^_^;
□ 先生からのプリント。読解できず夜分の電話(>_<)
小学生になると、時間割合わせでそろえる教科書やノート以外にも、実に多様なモノが求められます。それを担任からのプリントもしくは子どもの伝言によって親は知るのですが……。
ペットボトル飲料を飲まない家庭もペットボトルの空き瓶を、クリーニングを頼まない家庭もクリーニングの針金ハンガーを、「いる」と言われたら用意しなくてはなりません。思わぬ「指令」に夜道を自転車とばすことも多々。突然の実費徴収に備えて小銭は常備。ノートは年度途中でもマス目が細かいものに指定が進化するので要注意、etc……。
働く親の夜はバタバタです。もっと余裕があれば、早めに手を打てることもあるはずですが、それが難しいのです。
自衛策として、まず、プリントはファイルに整理。いらない印刷物はサクサク捨てる。重要な行事のお知らせや要注意の必要品予告は、毎日見る手帳やカレンダーに書いておくと安心です。
命綱のプリントが、ランドセルの底から蛇腹に折り畳んで出てきても、驚いたり叱ったりしてはいけません。「どうしたらくしゃくしゃにならないで持って帰れるかな?」と、子どもと話し合って少しずつ学習してもらったという冷静な母もいました。
子どもの言うことやプリントの指示が釈然としないときは、「しっかりしたお子さん」のご家庭を頼りましょう。
夜は何かと忙しいけれど、子どもの話を聞く時間は大切です。
「今日は何を習ったの?」「どんなことしたの?」などなど、おフロの中でリラックスムードで(説教は抜きで)話していると、思わぬ「必要品情報」が出てくることも。保育園のように送迎がないので、子どもから話を聞いて学校でのようすを知るのは、結構重要。子どもが何かに困っていることに気づいたら、先生に伝えてフォローをお願いすることもできます。
□ 台所で「音読」、背中で聞く^_^;
□ 「宿題、学童でやってきた」って本当かい~_~;
□ 朝ご飯食べながらかけ算復習(;^_^A
□ 自由研究。キット探しでネットサーフィン^_^;
宿題は子どもがするものだけれど、1年生のうちは、やっぱり親のフォローが必要。まず、宿題が出ているということを、悪意なく忘れている場合も多いものです。親子で連絡ノートを見て確認する習慣をつくった父もいました。
学童保育でも、宿題をする時間を設けている場合が多いのですが、お友だちと一緒の楽しい時間だけに、完了するのは難しいかもしれません。
「音読」は、料理しながら背中で聞いたという母は多数にのぼります。
□ 週1持ち帰りの上靴。見たのは入学式と終業式?(;^_^A
□ 保護者会で机をチェック。回収品がざっくざく^_^;
□ 上靴を洗濯機に放り込む(>_<)
□ 校帽はいつのまにやらどこへやら?ヽ(#`Д´)ノ
□ 傘は打楽器? 何本こわした(*´Д`)
□ 学童のロッカー、靴下の墓場(>_<)
□ 休み明け前日。スーパーでぞうきん買うのを忘れるな!\(^○^)/
よく考えると、1年生にはとても管理しきれない持ち物の点数だったりします。なくなる、だんだんに数が減る、こわれる、などなど。またそろえるのにお金がかかるのが悲しいけれど、そうこうするうちに子どもは成長します。いつの間にか、「お母さん、またなくしたの?」と言われるように……。
□ 下の子お迎え、保育園でやたら偉そう^_^;
□ 学童から、「息子」をたくさん連れて帰る\(^○^)/
□ カギを忘れて家に入れず、お隣りさんの家にお邪魔する(>_<)
□ 夏休みのお弁当、おかずの定番。からあげ、ソーセージ、ハンバーグ、ブロッコリー、プチトマト!\(^○^)/
□ プールカード。サイン忘れて子どもに泣かれる(>_<)
□ 卒室会で魅せたけん玉ウルトラ技(≧∇≦)
夕方6時30分、7時までの学童保育もふえてきたけど、保育園よりも学童保育のお迎えが早いことが大きな「壁」になることも。
きょうだいでお迎えが必要になって学童保育のお迎えに間に合わないときは、遠慮なく先に回ります。保育園に弟をお迎えするお兄ちゃんが誇らしげなこと!
親が四苦八苦しているうちに、「みんな5時に帰るからオレもみんなと帰る」と子どもがお留守番を選択するケースも少なくありません。親たちの気心が知れていたら、早めにお迎えに行ける母が「息子たち・娘たち」をまとめて連れて帰るという作戦もあります。
カギのもたせ方、家でのお約束……子どもをいかに安全にお留守番させるかについて、母たちの知恵はつきません(詳しくは前述書参照)。
夏休みは学校の給食がないので、腐らない弁当づくりに精を出します。
いろんなドラマを乗り越えて、やがて子どもは自立していきます。
学童保育では伝統遊びも盛んだったりしますが、学童保育の卒室会で、息子のけん玉超美技を見て涙したのは、ほかならぬ私でした。