■編集部より指令

以前、「感じが悪い人は、なぜ感じが悪いのか」(http://president.jp/articles/-/3811)という記事にアクセスが殺到したことがありました。

では、結婚できない人は、なぜ結婚できないのでしょうか。男性には男性の、女性には女性の理由があるように思います。

周囲からの婚活の相談をよく受けていらっしゃる佐藤留美さんには「結婚できない女の特徴」を、これまで多くの未婚男性を取材してこられた大宮冬洋さんには「結婚できない男の特徴」を、分析いただきたく。よろしくお願いいたします!

■大宮冬洋さんの回答

結婚できない男は、なぜ結婚できないのか -結婚の条件・男の言い分
http://president.jp/articles/-/10875

■佐藤留美さんの回答

欠点を見つける達人

『結婚前には両目を大きく開いて互いをよく見ておきたまえ。そして、結婚してからは片目を閉じておくんだ』

イギリスの神学者、トーマス・フラーは結婚を長続きさせる秘訣についてそう語りました。

確かに、結婚前には相手の本性をよく観察する必要があるし、結婚後は少々の欠点くらいには目をつぶるほうが円満でいられるのかもしれません。

ただ、「結婚できない女」とは、この結婚前の「観察」が熱心過ぎる人が多いように思います。両目を限界まで開いて相手を値踏みするあまり、どうしても許し難い欠点を“発見”してしまう。

あの人の、このクセが許せない。実家の親がねぇ。学歴がどうもねぇ。私より給料が低いしねぇ。

それで次第に相手を尊敬できなくなり、いいや、はい次、パスとなる。

30を超えるとパタッと寄ってこなくなる

こういう女性は自分にも厳しい人が多いので、だいたい、仕事やキャリアアップに意欲的です。

だから、仕事をしながら社会人大学院に行く、資格予備校に行く、留学する、朝会に行く。

そんなところにいくと、自分と同じく意欲的な人がたくさんいる。彼らと飲み会なんぞやっているうちに、今までの彼氏が「成長意欲がないヤツだ」とか「向上心がない」「モチベーションが低い」「テンション低い」なんて、かすんで見えるんでしょうね。

そして、新しいエリートの彼氏に乗り換える。でも、スキルアップに意欲的な男性は往々にして、女性にも意欲的なんですね。それに、全感心が自分に向かっている人が多いから、だいたいは自分勝手。だから、今度はその彼氏に別の女に乗り換えられたりするんです。

そうこうしているうちに、30歳を通過です。

すると、これまで寄って来た男性が、不思議なくらいパタッと寄ってこなくなるんです。

妥協できない女

この段階で、前の彼氏よりスペックが低い男性(しかし愛情深い)にも目を向けていれば、まだまだ結婚する可能性は大いにあります。

けれど往々にして、「昨日より明日、明日より明後日」の成長を目指す女性は、以前の高スペックな彼氏が男性を選ぶ「基準」となってしまい、妥協することができない。

そうこうしているうちに、自分も社内で着々と出世していったりして、仕事が俄然面白くなってくる。当然、仕事に没頭する。

そして、気付いたら、35歳です。ここまでくると、紹介案件もほぼ皆無というほど、なくなってきます。男性ってシビアなもので、今まで散々チヤホヤした女性が35歳過ぎると、いきなりハシゴを外すんですね。

あれは、ひどいと思いますよ。

こんな風に、結婚できない女とは、単純に結婚を選ばなかった女であり、したがって、モテない女では全然、ありません。

むしろ、経済的にも精神的にも自立している立派な女性が多い。

ただ、結婚の本質とは、お互いを求め続けること、相互補完すること。

「1人で完成している」人は、別に結婚しなくてもいい。それだけの話なのかもしれません。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。