■編集部より指令
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最終学歴と男性の未婚率(40代男性)

プレジデント誌調査によると、「結婚の条件」のなかで学歴はかなり低いポジションにあります。しかしながら、学歴別に未婚率を出すと、高学歴男性は結婚できて低学歴男性はできにくいという構図が見えてくる。ホンネのところでは相手の学歴を気にしているからでしょう。

なぜ人はこんなに学歴が気になるのでしょう。結婚において学歴はそんなに大事なものなのでしょうか。『30代未婚男』著者(共著)の大宮冬洋さん、『婚活難民』著者の佐藤留美さん、お2人のご意見をお待ちしています。

■佐藤留美さんの回答

やっぱり、自分と同等の学歴は必須! -結婚と学歴・女の言い分
http://president.jp/articles/-/10720

■大宮冬洋さんの回答

低学歴でもモテる人の特徴

男性が相手の女性の学歴を気にしているというよりも、「自分の低い学歴を気にして自信を持てない、だから結婚しにくい」と言ったほうが正確だと思います。

学歴は低くても自信に満ち溢れて女性にモテて、家族を築いている男性はたくさんいます。その人は学歴以外の何かに自信があるはずです。ちょっと極端な例ですが、活躍しているプロ野球選手や歌舞伎俳優は大学に行っていなくても気にしていませんよね。彼らは学歴などという大昔の栄光ではなく、現時点での「芸」で成果を出して生き生きと輝いている。おまけに肉体美も人気も経済力もある。モテないはずがありません。

扱いにくい「学歴コンプレックス男」

男性が最も恋愛や結婚から縁遠くなる瞬間があります。それは、自信と意欲を失って「どうせオレなんか。学歴も低いし」と卑屈になり、他者との親密な関わりを自ら遠ざけているときです。それでいて周囲からの評価には敏感で、ちょっとした一言に反応して恨んだり妬んだり慰めてもらいたがったり。こんな卑屈男に比べたら、大して仕事もできないくせに高学歴だけを鼻にかけて威張っている傲慢男のほうがマシなのです。

後者も明らかにバカで嫌な奴ですよ。友だちにしたくありません。でも、前者のような面倒くさくて後ろ向きな男性よりは、後者のほうに生命力を感じるのは確かです。

男性が寄って立つところの自信は、たいてい薄っぺらで相対的なものです。東大卒だとか年収1000万円だとか野球が得意だとか。でも、そんな根拠のない自信でもあったほうがいいと思います。

「片付け偏差値」で勝つ!

もっと言えば、自分勝手な「学歴」を創り出して、自信満々になってしまえばいいのです。「オレは志望校に落ちたけれど、数学だけなら駿台の全国模試で20番にランキングしたことがある。だから実は全国で20番目の高学歴だ。こんな会社の経理なんて余裕だぜ!」と思い込んでいたほうが、働きぶりに勢いが生じるのではないでしょうか。不遜な態度で上司や同僚に嫌われるかもしれませんが、年下の女性からは案外モテたりします。

実際に結婚すると学歴なんて通用しません。今度は相手の女性が苦手なことを発見し、相対的に自信を持つのはいかがでしょうか。片付けが不得意な女性と結婚したら、率先してゴミ捨てなどを仕切って誉め言葉を要求し(「誉めてほしいな~」と可愛くアピールすることが重要です。真顔で求めると「他の家事はやらないくせに!」と叱られます)、我が家における片付け偏差値は75であることを誇りましょう。妻は偏差値45の落ちこぼれ。オレは片付けエリートだからこそ掃除の最前線に立つ義務を負っているのだ……。くだらないですね。でも、それだけで自信が少し湧いてくるのだから不思議です。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/