日本初の木質梁勝ちラーメン構造により強固な躯体と優れた耐震性、さらには将来へ向けての可変性の高さも備えた住友林業の「ビッグフレーム(BF)構法」。住宅構法としては初めて、グッドデザイン賞を受賞するなど注目が高まっている。
壁が少なく、開口部が大きい住まいを実現してくれるBF構法。大きな窓と仕切りの少ない住空間は、開放感にあふれている。

ぬくもりがあり、心地よい落ち着きをもたらす木の家は、調湿機能もあるので、日本の気候風土に適している。もしそれに加えて、広々とした大空間を実現でき、地震や火災に強く、間取りの可変性が高いため将来のリフォームもしやすい、長寿命の木の家があるとしたらどうだろうか。

そんな、木造では不可能と考えられていたことを可能にし、発展させてきたのが住友林業のオリジナル技術「ビッグフレーム(BF)構法」だ。最大の特長は、構造にかかわる壁が少なくてすむ点にある。そのため無駄に空間を遮る必要がなく、広々とした間取りが実現するわけだ。

窓などの開口部も広くとることができる。具体的には、建築基準法の壁倍率4倍の一般的な筋かい工法の耐力壁の5分の1の幅で同等の強さを発揮するので、その分、広い開口が得られる。これを活かし、庭に面する窓を大きく設ければ、自然の光や風を存分に採り込こめる。リビングから庭へと連続性あるデザインにし、屋内と屋外に一体感をもたせた空間もつくれるのだ。

縦への広がりにおいても自由度は高く、開放感あふれる住まいを感じさせる「吹き抜け」も夢ではない。しかもBF構法なら上下階の柱位置が異なるプランにも対応可能だ。

ではなぜBF構法の家は、構造にかかわる壁が少なくてすむのか。鍵を握るのは「ビッグコラム」と呼ばれる幅広の柱。これが主要構造材となっているからなのだ。一般的な木造住宅で使われる柱が105mm角であるのに対し、ビッグコラムは105×560mm。なんと、約5倍の幅がある。壁倍率に換算すると22.4倍相当と、高い耐震性能を誇る。

※壁倍率とは、地震などの際に建物を支える耐力壁の強さを表す数値です。


BF構法は住宅構法としてグッドデザイン賞を初受賞。