2013年2月23日(土)

クリストファー・ロイド ~学校をやめさせて、1年間家族旅行したのはなぜですか?

プレジデントFamily 2013年4月号

文=高田純子 撮影=若杉憲司
作家 クリストファー・ロイド
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昨年12月の来日時。持参した大切な恐竜フィギュア、フレッドと。

地球は何歳か知っていますか? いたずらっぽく尋ねるこの男性は、イギリスで2008年に刊行され、ベストセラーとなった『WHAT ON EARTHHAPPENED?』の著者だ。宇宙のはじまりから今日までの人と自然の変遷を壮大なストーリーとしてまとめた本書は、理系と文系の垣根を越えた初めての歴史書として話題に。日本語版は昨年9月に『137億年の物語』として文藝春秋社から刊行され、教養書としては異例のヒットとなった。

ケンブリッジ大学で歴史を学び、サンデータイムズ紙で科学記者をしていたロイド氏だが、なぜこの本を執筆するに至ったのか。きっかけは当時7歳の娘を学校から家庭に戻し、自宅教育を始めたことだった。

「娘のマチルダは、もともと知的好奇心が旺盛で、本を読むのが大好きでした。しかし7歳になったころ、本も読まなくなり、学校は退屈だから行きたくないと言いだしました」

困ったロイド夫妻は、別の学校を探し始め、とりあえず新しい学校が見つかるまでの1年間は家で勉強を教えることにした。イギリスの法律では義務教育の自宅教育が認められている。数はそれほど多くないが、決して珍しいことではないそうだ。

自宅の一室を教室のようにしつらえ、インターネットで7歳では何を学ぶべきかといったカリキュラムを見つけ、それをもとに1日の時間割を決めて自宅教育を始めた。しかし、3カ月でまた彼女は退屈し始めた。「マチルダに『君は何に興味があるんだい?』と聞いたところ、“ペンギン”だと言います。そこで、私は動物園に連れていき、南極、氷の浮揚、タイタニックなど、ペンギンに関係ありそうな話をたくさんしました。またペンギンをテーマに楽曲を作ったり、ペンギンを材料に足し算や引き算をしたり、ペンギンを1つの例にして、あらゆる勉強をしたのです。そうなると彼女は全く退屈しなくなり、非常に楽しんだのです」

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