独身時代には想像しなかった熱狂ぶりで、チアリーダーになりきる

では、どうすればこのサイクルを変えられるのでしょうか。子どもを悪い子だと捉えず、ポジティブな行動に集中する必要があります。適切に(すなわち、結果的に将来望ましい行ないが増える方法で)褒める秘訣ひけつは、

(1)熱意を込めて
(2)具体的に
(3)その場で
(4)一貫性を持って

の4つです。

よい行動に関心を向け、熱意を込めて言葉をかけることから始めましょう。「子どもが自分でパンツを履いた」ら、“ついでに声かけする”というレベルではなく、独身時代には想像もしなかったような熱狂ぶりで、チアリーダーになりきるのです。

「一人でパンツを履けたの? すごい、すごい!」といった具合です。

母と娘の公園
写真=iStock.com/shih-wei

一般論で話すのではなく、具体的によい行ないを挙げてコメントします。

つまり、「よくできたね」「おりこうさんね」と言うのではなく、「歯を磨くなんてすごい!」「自分でパジャマを着るなんて偉い!」「おお、今日は着替えがとても速いね!」「あら、自分でスプーンを使ってシリアルを食べてるんだ!」といったふうに伝えるのです。

よい行動に対しては、その場ですぐに、そして毎回忘れずに褒める必要があります。着替えがうまくできない子どもであれば、着替え終わるやいなや、着替えたことが素晴らしいと言葉をかけます。後に買い物をしているときになって褒めるのでは遅いのです。

そして、よい行動が身につくまで毎朝同じことを繰り返します。「よーし、今日もパンツが履けたね!」というふうに。

人はみな、温かく、物わかりがよく、応援してくれる上司が好き

自分の子どもに対してどのくらい簡単に言葉のごほうびを与えられるかは、自分自身の育てられ方と性格によるようです。私はポジティブな褒め言葉をたくさんかけてもらえる家庭に育ちました。

そして、今、私は心理学者です。それゆえ、わが家にはたくさんのポジティブなフィードバックがあります。

大人になってからも両親に会ったときには、私がささやかな成果を上げた話(「今日、支払いを済ませたわ」)をすると、両親は大げさに褒めてくれるので(「支払いを済ませただなんて、すごいじゃない! 気分がいいわね!」)、夫には笑われます。

彼にはおもしろおかしく感じられるようです。でも、本当に気分がいいし、そのようにポジティブなフィードバックは、支払いを済ませることさえも少し楽しく感じさせてくれます。

もしあなたが、そんな話は全部くだらないと感じるのであれば、このように考えてはどうでしょうか。あなたは自分の子どもの上司であると(子どもがいくら否定しても)。

あなたはどんなタイプの上司の下で働きたいですか。おそらくは、あなたがやるべきことをやっていることに気づき、業績に目を向け、賞賛してくれる上司ではないでしょうか。

何か間違ったことをするたびに叱責しつせきし、よい仕事をしてもそれには一切触れない上司の下で働きたい人は、誰もいないでしょう。

人はみな、温かく、物わかりがよく、応援してくれる上司が好きです。人は時に間違いを犯すことがわかっていて、ミスから学ぶ猶予ゆうよを与えてくれ、それについてくどくど言わない上司が好きです。

そのような上司の下で働く従業員は幸福度と生産性が高いことを、研究結果が示しています。これは子どもにも当てはまります。