当社が求める資格を、お持ちでないようですが?

【面接官が知りたいのはココ!】
開き直ったり、ツベコベ言い訳するのはやめてね
現状を踏まえた上で、どう向き合っていくのか、聞かせてほしい

資格がないのは事実ですから、「言い訳をせず、指摘を潔く受け入れる姿勢を感じたい」と、面接官は思っています。

中谷充宏『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)
中谷充宏『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)

取得できていない理由をこねくり回すのは最悪です。「資格はなくてもこの仕事はできますし、有資格者であっても経験がなければ実務はできません」等と、有資格者を蔑むような回答は厳に慎むべきです。

素直に受け入れるといっても「はい、持っていません」だけでは当然、不十分です。

過去にどういった取り組みをしたか、いま保有していないことをどう捉えているかをきちんと説明した上で、今後、取得に向けてどう進めていくのかを伝えないといけません。

将来のことは何とでも言えますから、「今年8月には取得予定です」と高らかに宣言してもかまいません(後述しますが、「勇み足」はNGです)。

しかし、取得に向けて具体的にどう行動しているのかを説明しないと、「軽口を叩く人」と見なされて終わりでしょう。脚色することなく、実直に現況を語ってほしいと面接官は思っています。

たとえばこういう人の場合

39歳男性、大卒後、新卒入社した人材紹介会社1社に勤務。今回は2社目の転職で同業種・同職種への応募。

NG!
「今までの職務遂行上、この資格の必要性を感じたことはありませんが、御社で必要ならば取得を前向きに検討したいと思います」

↑言い訳がましく、潔さを感じない発言は、低評価につながりかねません。

OK!
「仰る通りで、御社が求めるキャリアコンサルタント資格を取得しておりません。
私は以前から転職支援や職業相談業務に従事しており、この資格がなくても業務遂行上特に支障がなかったのが、取得しなかった最大の理由です。
ただし、今や業務経験の豊富さだけでは足りず、官庁や企業などの再就職支援事業等の入札や提案営業時にも、有資格者の数が一定数を満たさないと見積もりにすら参加できないと聞きます。
この業界でやっていく以上、この資格は必要だと、今回の御社の応募でも改めて認識いたしました。遅ればせながら、今パンフを取り寄せて通学先を検討している最中です」

↑取得しなかった理由をわかりやすく述べ、取得する方向に持っていく構成がベストです。

まだ検討中なのに、「講座に申し込んだ」、「来週から通う」と勇み足にならないようにしてください。

中谷 充宏(なかや・みつひろ)
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士

同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで依頼者の転職を支援する「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。米国MBAホルダーや代表取締役といったエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデを背負った層まで、幅広い方々の転職支援の実績がある。また社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験も豊富で、人事部長として企業人事を一任されるケースもあり、生々しい採用現場や面接シーンも熟知。 著書に『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』、『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』『20代~30代前半のための転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)等多数。M&Nコンサルティング