健康志向が高まっている今、必要な栄養素がしっかり摂れているのかどうか気になっている人も多いのではないだろうか。そうしたニーズを受けて、近年、個別分析をもとにその人に合った栄養素を提供するパーソナルサプリメントの人気が高まりつつある。その市場規模やユーザーメリットについて、パーソナルサプリメントサービス「ユアフィット」を展開する日清ファルマの雫内里美さんに聞いた。

ビジネスパーソンに適した新たな健康管理サービス

働き盛りの世代にとって、ビジネスで力を発揮するためには健康管理も大事な要素のひとつだろう。しかし、健康のために何かしなければと思ってはいても、何をすればいいのかわからない、仕事に追われて時間が取れないという人は少なくない。

健康管理の基本は、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠の3つだといわれる。まずはこれらを心がけたいところだが、忙しい時はどうしても後回しになってしまいがちだ。特に食事は、きちんとバランスを考えて取ろうとしても、必要な栄養素をすべてカバーするのはなかなか難しい。

そんな時はサプリメントを活用するのもひとつの手だ。食事では補いきれない栄養素を手軽かつ効率的に摂ることができるため、ビジネスパーソンにはうってつけの方法といえるだろう。

ただ、サプリメントは種類が豊富で、ドラッグストアなどにはメーカーも成分も多種多様な商品がずらりと並んでいる。せっかく時間を割いて店に足を運んでも、何の予備知識もないままではどれを購入するかで延々と悩むことになりかねない。

そこで近年注目されているのが、一人ひとりの食習慣やライフスタイルに合わせてパーソナライズされたサプリメントを提供してくれる「パーソナルサプリメント」だ。

富士経済の調査によると、検査サービスとのセット販売を除いたパーソナルサプリメントの市場規模は、2018年に46億8000万円だったのが2021年には78億7000万円となっている。2022年は70億1000万円見込みとやや縮小しているものの(※)、5年前と比較すると増加傾向であることは明らかだ。

※出典=富士経済『H・Bフーズマーケティング便覧 2022 総括・パーソナライズ編』

日清ファルマ
健康食品事業部 パーソナルニュートリショングループ グループリーダー
雫内里美(しずうち・さとみ)さん

2023年10月、この市場に、日清製粉グループの一員でファインケミカル事業や健康食品事業を展開する「日清ファルマ」が参入した。同社の新しいパーソナルサプリメントサービス「ユアフィット」を担当する雫内里美さんはこう語る。

「今、医療業界では個人に最適化された個別化医療を目指す動きが加速しています。同じように栄養についても、『より個に合った提案』が求められる時代になってきたのではと思っています」

サプリ+栄養カウンセリングの「ユアフィット」

日清ファルマは2001年の設立以来、ビタミン研究やコエンザイムQ10の開発など、20年以上にわたってサプリメントの機能向上に取り組んできた。その技術やノウハウを生かした「ユアフィット」は、パーソナライズされたサプリメントと管理栄養士による栄養カウンセリングがセットになった新タイプのサービスだ。

開発は、社内の新規事業開発チームによる企画出しから始まった。いくつもの企画が却下される中、「ユアフィット」は雫内さんをはじめとするメンバーが当初の思いをしっかり形にしたことで事業化に至った。サプリメント選びにまつわるお客さまの手間や不安、わかりにくさを払拭したい――。そんな思いから、管理栄養士とともに健康管理をサポートする形に行き着いたという。

「当社がたどり着いた、最もお客さまに寄り添ったサービスだと考えています。働き盛りの方々に健康管理のパートナーとしてご利用いただけたらうれしいですね」

日清ファルマのパーソナルサプリメントサービス「ユアフィット」

「ユアフィット」の特徴は大きく4つに分けられる。1つ目は、自分に必要なサプリメントがわかる「ライフスタイル分析」だ。スマホやPCから31のアンケートに回答すると、食品の多様性や食事の規則性、食事の質、生活習慣といった分析結果と健康アドバイスが表示される。

そして、健康の基礎成分を補う基本のサプリメント4種類のほかに、分析結果によって1~3種類のサプリメントが、成分の説明とともに提案される。アンケートとアドバイスは管理栄養士が監修しており、提案内容への納得感は高い。アドバイスを読んだ後は、提案されたサプリメントをすべて、または一部だけを購入することも可能だ。また、提案外のサプリメントを自分自身で選んで購入することもできるし、もう少し検討したければ何も購入しなくてもいい。気軽に試せるうえ、隙間時間で完結させられるのもうれしいところだ。

分析や相談に基づき最適な栄養素をカスタマイズ

2つ目は、管理栄養士による栄養カウンセリングだ。やりとりはチャット形式で、サプリメントのご利用期間中はウェブ上のお客さまページから何度でも無料でカウンセリングを利用できる。回答してくれるのは、最適な食習慣に導くためのノウハウを持つスタートアップ「eatas(イータス)社」所属の管理栄養士。サプリメントに関する疑問や要望から食事、運動、ライフスタイルに関することまで何でも相談できるため、本当に自分に合ったアドバイスが得られる。

「平日10時~17時の間に相談事を入力していただければ、遅くとも翌営業日までにはお答えする仕組みになっています。あくまでもお客さまのライフスタイルに合わせて提案をする形のアドバイスで、お客さまの健康的な生活の実現に向けて伴走していきます」

例えば、野菜不足が気になっている場合は「近所のコンビニで買えるサラダで自分に足りない栄養素を摂れるものを教えて」といった相談もできる。また、趣味でスポーツをしている人は、試合や大会に向けて最適な献立を勧めてもらうことも可能だ。こうしたきめ細やかさは有人対応ならではだろう。

栄養カウンセリング利用イメージ

3つ目の特徴はサプリメントの成分だ。「ユアフィット」は、健康の基礎をつくる成分とライフスタイルを支える成分の中から、その人に合ったサプリメントをカスタマイズして提案してくれる。

前者は13種のビタミンを含むサプリメント2種と、10種のミネラルを含むサプリメント2種の計4種が固定となっており、後者はEPAやルテイン、水溶化コエンザイムQ10など豊富なラインアップの中から選ばれる。もちろん自分でカスタマイズすることも、季節やライフスタイル、心身の変化などに合わせて随時見直すことも可能だ。

加えて、サプリメントは独自成分のほか、1粒で複数の成分が摂れる「複合成分」も取り入れたこだわり設計。毎日摂取する継続性にも配慮し、1日分のサプリメントを1パックにまとめたのも、手軽に続けられるように工夫したアイデアの1つだ。

一人ひとりの健康実感をサポート

そして4つ目の特徴は「安全・安心」。日清製粉グループには独自の品質保証体制があり、原材料の選定から食品の製造に至るまで厳しい審査を通ったものだけが世に送り出されている。もちろんサプリメントも同じで、製造から出荷まで安全・安心を最優先に品質管理に取り組んでいるという。

雫内さんは「今後もサプリの種類を拡充するなど、よりその方に合ったパーソナルサプリメントサービスを目指して工夫を続けていきます」と力を込める。

「働き盛りの方々は忙しく、健康に関して気がかりなことがあっても、その解決策探しにあまり時間を割けないのではないでしょうか。そうした面はユアフィットを活用することで効率化して、ご自身は仕事や趣味など本当にやりたいことに集中していただけたらと思っています」

日清ファルマは企業ミッションに「心身の健康実感パートナーになること」を掲げている。その言葉通り、「ユアフィット」は一人ひとりの健康実感に伴走サポートするサービスといえるだろう。管理栄養士に相談できる点も心強く、健康や栄養面のパーソナルトレーナーといった感覚で使えそうだ。健康管理や栄養バランスが気になっている人は、この機会に自身のライフスタイルを見直してみてはいかがだろうか。