コロナ禍を転機として、企業や教育現場でリモートワークやWeb会議、Web講義の機会が飛躍的に増えている。その一方、インターネット回線が逼迫し、「つながらない」「落ちる」といったネガティブな声も目立つようになった。こうした課題を解決する、高スペック・高品質・低価格の三拍子揃った画期的な法人向けインターネット接続サービス「NUROアクセス 10G」が、ソニービズネットワークス株式会社から登場した。同社の柏原秀行執行役員にアピールポイントを語ってもらった。

数人の事業所から大企業まで支える「NUROアクセス」

――ソニーブランドはどちらかというと個人向けに強みがありますが、「NUROアクセス」は法人向けのサービスですね。

【柏原】はい。1996年からISPサービス「So-net(ソネット)」を提供している、親会社のソニーネットワークコミュニケーションズが、2013年に独自の光回線「NURO(ニューロ) 光」の販売を開始した際、BtoB用途で開発されたのが「NUROアクセス」です。そのため「NUROアクセス」は個人向けの「NURO 光」と同じ基幹回線ネットワークを利用して運営しています。

――競合他社と比較した場合の「NUROアクセス」の特長は?

【柏原】「NUROアクセス」では「高スペック」「高品質」「低価格」の3点を重視してきました。

インターネット回線の性能は、1秒間にどれだけの情報を伝送できるかを示す「bps(ビット毎秒)」という単位で表され、「通信速度=回線容量」と捉えていただければと。弊社の標準サービスは通信速度下り最大2Gbps(※)の「NUROアクセス スタンダード」ですが、導入いただいたお客様の中には、「他社1Gbpsクラスの光回線から『NUROアクセス スタンダード』に切り替えて、以前の10倍近いスピードが出るようになった」と喜ばれる方もいらっしゃいます。これは国際的に標準化された通信規格G-PONの採用と、機器メーカーと共同開発したONU(回線終端装置)によるものです。

一般的なインターネット接続サービスは、通信速度の下限値が設定されていないことがほとんどですが、「NUROアクセス スタンダード」は帯域確保型サービスであり、どんな場合も最低上下10Mbpsの通信速度が確保されています。またサービスが一定の基準に満たなかった場合、料金の一部を返還するSLA(サービスレベル保証)も付いています。

そのため貸し会議室やホテルのように、顧客向けに高品質のインターネット回線を用意する必要がある業界では「NUROアクセス スタンダード」の評価は非常に高く、ユーザーのみなさまの間で回線の速度と品質の良さを体感いただいております。

「NUROアクセス スタンダード」には、他社ではオプションサービスとなることも多い、24時間365日の有人保守サポートや故障の際の補修サービスが最初から付帯しています。

料金は「初期費用15万円、事務手数料3,000円、基本工事費5万円、利用料金は月額1万8,850円から」となっていますが、初期費用は24回の分割払いとし、初期費用割賦請求相当額を月額料金から2年間お値引きしているので、初期費用は実質0円で導入できます。

柏原秀行(かしわばら・ひでゆき)
ソニービズネットワークス株式会社
執行役員
法人向け光インターネット回線の営業部長を経て、ソニービズネットワークス株式会社の立ち上げメンバーとして2012年10月に参画。現在は、第一営業本部の本部長を務めつつ、事業企画本部の責任者として活躍中。

――法人向けならではのサービスもあると聞きました。

【柏原】「NUROアクセス」は業務で使用されるサービスのため、お客様各社に必ず営業担当がつくサポート体制を敷いています。そのためインターネット回線だけでなく、セキュリティやクラウド活用などの、お客様の課題に合わせた様々なご提案が可能です。

例えば、ソニーのAI技術を利用した「予測分析」「画像判別」等のAIソリューションや、UTM(統合脅威管理)やクラウド型サンドボックスなど、最新の機器によるセキュリティサービスも用意しています。ビジネスに必要な回線インフラからクラウド、アプリケーションまでをワンストップでお届けし、「お客様と一緒に成長していきたい」という姿勢で事業を進めております。

――どういった導入例がありますか?

【柏原】インターネット回線はすでに企業活動を行う上で必須のインフラとなっており、日本航空様のような大企業から、アニメ制作のProduction I.G様、教育産業の雄である代々木ゼミナール様といった有名企業まで、業種や従業員数とは関係なく多くの企業様で弊社の回線やサービスを採用いただいています。

教育関係でも、専修大学様をはじめとする約180の県立学校のICT設備を担当する埼玉県教育局県立学校部ICT教育推進課様など、私立・公立を問わず多数の学校に導入いただいています。

「オフィスからWeb会議」の急増で高まったインターネット回線高速化の要望

――このたび新商品「NUROアクセス 10G」がリリースされましたが、開発に至る経緯についてお聞かせください。

【柏原】「NUROアクセス 10G」リリースの背景には、コロナ禍を転機としてリモートワークやWeb会議を行う機会が飛躍的に増え、インターネット回線の高速化の要望が高まっていることがあります。

2020年以降、日本国内のトラヒック(情報の伝送量)は右肩上がりで、特に法人需要が急激に増加しています。新型コロナ蔓延による行動制限の下で、企業において新しい働き方やDX経営へのシフトが加速していったことがその要因です。

コロナ禍の収束とともに、多くの会社でリモートワーク中心からオフィスへの回帰が進みましたが、今度はオフィスから社内外とのWeb会議に参加するという機会が増えています。そこで速度の不足から画像が乱れたり、アプリが動作しなかったり、途中で落ちたり、Wi-Fiがつながらないといったトラブルが頻発しているのです。

企業だけではありません。大学などの教育機関でも学内の通信環境が大きな課題になっています。例えば1限目が対面の授業で、2限目はオンライン授業となり、学校でWi-Fiをつなげようとしたら、つながらない。結果として授業に出られない――といった障害が起きています。

中学高校では2019年に文部科学省が打ち出した、生徒1人に1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを整備する「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」が動き出していますが、1クラス30人以上を同時にインターネットでつなげるとなると、かなりの通信速度が必要となり、各地の教育委員会から、「他社サービスでネットワークを組んだがうまく稼働しておらず、相談に乗ってくれませんか」という声をいただいています。「全国の多くの学校で通信速度が不足している」と言っても過言でないほどです。

「NUROアクセス 10G」は高速・低価格の商品設計

――そうした現状を受けて、「NUROアクセス 10G」がリリースされたわけですね。

【柏原】はい。高速なインターネット接続サービス自体は以前から各社で提供されていましたが、10Gbpsクラスの回線導入費用は、1回線につき月額20万円ほどと高額でした。

ここまで高いと企業も学校も導入が難しい。弊社では社会の要望に応えるべく努力を重ね、回線設備、機器、保守などサービス開始に必要な条件を整えて、本年10月下旬というタイミングで、リリースすることができました。

――どのような点に特長がありますか。

【柏原】「NUROアクセス 10G」では、従来の「NUROアクセス」の高品質と充実したサービスに加え、伝送規格にXGS-PONを採用、上下最大10Gbps(※)の高速かつ広帯域なインターネット接続サービスを実現しています。また1回線につき、固定グローバルIPアドレスがひとつ、標準で割り当てられます。しかも月額料金は2万3,850円と、スペックと品質に対してとても高いコストパフォーマンスを誇っています。これは「高速であっても、手の届く価格」にこだわって実現させたものです。

――「NUROアクセス 10G」について、「こんな課題を抱える企業に導入してもらいたい」といったことはありますか。

【柏原】「NUROアクセス 10G」は「通信速度が不足しがちで困っているけれども、既存の10Gサービスだとコスト的に不安」とお悩みのお客様に、ぜひ検討いただきたいサービスです。

私たちソニービズネットワークスは、アプリやセキュリティなども含めて対応できるというサービス面での柔軟性と、高スペック・高品質・低価格という筋肉質の回線を携え、スペックと価格で社会に貢献していきたいと願っています。

※「2Gbps」「10Gbps」という通信速度はNURO Bizネットワークからお客様のご利用場所に設置する回線終端装置へ提供する技術規格上の最大速度です。お客様が使用する個々の端末機器までの通信速度を示すものではありません。インターネットご利用時の実効速度は、お客様のご利用環境(端末機器の仕様等)や回線の混雑状況などにより、低下する場合があります。