創業50周年を迎えた2022年に持株会社体制へと移行し、タカラレーベンから社名を変更して誕生したMIRARTH(ミラース)ホールディングス株式会社。人と地球の未来を幸せにする企業へと進化するためのこれらの変革に伴い、本年より環境フォト・コンテストの募集テーマも「人と地球の幸せ」に変更した。そこに込められた想いとは――。

地域社会との共創によりサステナブルな街づくりを

――新たな社名の下、推進しているサステナビリティ方針や理念について教えてください。

鈴木健介さん
MIRARTHホールディングス株式会社
グループ経営企画部長 兼 サステナビリティ推進課長

【鈴木】当社グループは、おかげさまで22年9月21日に、創業50周年を迎えました。そして10月、持株会社体制へと移行し、MIRARTHホールディングス株式会社として新たにスタートしています。「Mirai(未来)」と「Earth(地球)」をかけ合わせたこの社名には、不動産総合デベロッパーの枠を超え、地域全般への貢献を通じて、人と地球の未来を幸せにする企業へ進化したいという想いが込められています。Our Purpose(存在意義)にも「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」と掲げ、事業を通じたサステナビリティ活動に取り組むことで、社会課題の解決とSDGs達成に貢献すると同時に、当社も持続的に発展することを目指しています。

――具体的にはどんな取り組みを進めているのでしょう。

【鈴木】このタイミングで新たに何かを始めるというのではなく、これまでグループ各社で取り組んできた不動産・エネルギー・金融などの事業を融合するとともに、地域社会との共創にもより一層力を入れることによって、サステナブルな未来の街づくりに励んでいます。また、太陽光やバイオマス発電など再生可能エネルギーの普及を促進し、気候変動の緩和にも注力。2023年3月には2050年のカーボンニュートラル実現に向けたGHG排出量削減の中長期目標を設定し、グループ全社で取り組みを加速させているところです。

一つトピックを挙げれば、オフィスビルシリーズ「L.Biz」の「L.Biz日本橋」(東京都中央区・2023年3月竣工)において、建築環境総合性能評価システム「CASBEE-建築(新築)認証」のAランクを取得しました。室温制御や照明制御による室内環境の向上のほか、太陽光などの自然エネルギーの活用を促進するために階高を確保し、カーテンウォールを採用。節水器具などを通じて水使用量の削減を図り、環境負荷の低減を図っています。このような脱炭素社会の実現に寄与する建物の供給にも力を入れています。

「CASBEE-建築(新築)認証」のAランクを取得した「L.Biz日本橋」

――今回で30回目を迎えた環境フォト・コンテストへの参加をどう捉えていらっしゃいますか。

【鈴木】環境課題への対応は一個人や一企業が単独で進められるようなものではなく、日本を含む世界全体で取り組まなければならないテーマです。そのような意識を多くの人が共有するきっかけを与える「環境フォト・コンテスト」が、30年という長期にわたって継続してきたことは、大変意義深いことです。当社グループのパーパスにも通じる本コンテストへの参加は、当社の環境に対する取り組みや想いを表現する貴重な機会と捉えています。また、協賛の意図に加え、作品募集と受賞作品を社内でも積極的に発信することで、グループ内におけるサステナビリティ意識の浸透にもつなげていきたい考えです。

MIRARTHホールディングスのパーパス(存在意義)

パーパスにも掲げた「人と地球の幸せ」が新テーマ

――今回から募集テーマを変更されました。

【鈴木】前回までのテーマ「水と暮らしの幸せ」でも、私たちの想いを見事に表現した多数の優れた作品に出合うことができました。前回優秀賞の「遠足」は、整然と並ぶ稲と土手に咲く花の間を一列に並んで歩く子どもたちという「私たちが守るべきかけがえのないもの」が写し出されており、暮らしの中にある幸せについて常に考え、環境に配慮した事業を推進する当社グループとの親和性を強く感じました。

このような作品と出合えたテーマを変更するかどうかは社内でも意見が分かれたところですが、パーパスにも掲げた「人と地球の幸せ」を募集テーマとすることで、さらにフィールドを広げたい。より幅広い視点で応募者一人一人異なる幸せの形を教えてもらうことができれば、それが当社の事業にも生きてくるのではないかと考えました。皆さまには命あふれる地球と、かけがえのない「幸せ」が感じられる瞬間をそれぞれの視点で自由に表現していただき、この募集テーマを通して人と地球の未来の幸せについて、共に考えていけたらと願っています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【鈴木】改めて「環境フォト・コンテスト」は、暮らしの中で感じた美しい自然の景色やそれを破壊する環境問題への想いを、応募者の皆さまと私たち企業が共創する場であると認識しています。本コンテストの取り組みをより広く周知していくことで、一人でも多くの方に環境問題を意識する機会が届けられること、そのためにもできるだけ多くの方からご応募いただけることを期待しています。新しい募集テーマに込めた私たちの環境への想いに重なる、たくさんの「幸せの瞬間」をとらえた写真に出合えることを楽しみにしています。

●募集テーマ:人と地球の幸せ

●前回の入賞作品(前テーマ「水と暮らしの幸せ」)

優秀賞「遠足」竹内良弘さん
佳作「あぁ~しあわせ?」倉持萌子さん
佳作「わあー!気持ちいい!」秋篠重仁さん