SNSに期待するのはやめるべき

スカウトのことを説明しますね。ヘッドハンティングとは、経営幹部や専門職といった、事業運営に欠かせない優秀な人材を他社からスカウトする採用手法のことです。このようなハイクラスな人材は引く手数多なため、転職サイトを使っても企業が見つけるのは困難です。そのため、ヘッドハンティング会社や転職エージェントに依頼して、独自のルートで人材を探し出します。所属している会社にダメージを与える意図もある引き抜きとは違い、ヘッドハンティングは純粋に人材を必要としての手法です。

一方、リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介してもらう採用手法のことです。企業理念や文化を理解している社員がリクルーターとなり、人柄をよく知る友人や実力を把握している知人を紹介するため、企業と応募者の間で採用のミスマッチが起こりにくい利点があります。離職される可能性が低いことから、近年広まりつつあります。

将来的な転職希望者の中にはヘッドハンティングやリファラル採用されるために、頑張って人脈を作ったりLinkedInやTwitterといったSNSで実績や考えを発信したりする人もいます。これは遠回りなので今すぐ止めましょう。

誰かに必要とされるのは嬉しいし気持ちいいし格好良いですが、評価されるまで長期間ひたすらSNSを頑張るといった受け身の姿勢より、自分から応募した方が短期間で決まります。断然早いです。

人脈を作るならさっさと転職したい旨を伝える、SNSで発信するなら意中の企業にDMを送る、という攻めの姿勢で、やると決めたら「今やる、すぐやる、さっさとやる」の勢いで応募しましょう。応募したい会社選びや意中の企業をどう決定するのか、その判断軸を決めることが転職の事前準備ですから。

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写真=iStock.com/temizyurek
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転職の目的は今のあなたが最も欲しいもの

「転職活動はまず自己理解から始めましょう」といった就職活動時の進め方はしません。転職活動で最初に行うのは自己分析や企業リサーチではありません。過去の振り返りやキャリアの棚卸しも後回しです。

転職の事前準備として最優先で行うのは、転職で実現したい最優先事項を決めることです。「今、ここ」で起こっていることだけを見つめて、過去の感情や未来への思考で判断せずに、冷静に今のあなたが最も欲しいものを①転職の目的として決めましょう。