転職の目的を見失わないために

事前準備として最初に行う、転職における目的を見失ってしまうこともよくあります。この本では年収アップにフォーカスしていますが、それだけが転職の目的ではないですよね? 時間的自由や空間的自由といったワークライフバランスもあったと思います。

事前準備が疎かだと心に余裕が持てません。必死に目の前の書類作成や面接といった作業をこなしていくだけだと、よく考える時間もないので「苦労して転職活動したのにブラック企業へ入ってしまった」という、目も当てられない事態に陥ってしまうこともままあります。

こういった事態を避けるためにも、事前準備は絶対に欠かせません。逆に言えば、事前準備さえシッカリできていれば転職は成功したのも同然です。なにせ、転職は事前準備が9割ですから。

ビジネスマンは、リストを行うために書き込み
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転職のスケジュール感は3分割にして考える

転職にかかるおおよそのスケジュール感を3分割すると、

1.事前準備(3カ月)
2.応募から選考(2カ月)
3.内定から退職(1カ月)

多少の増減含め、おおよそ6カ月見込みです。大手転職サイトが3カ月以内で決められると謳っているのは、事前準備ができた後の話だからです。事前準備の期間が転職活動の半分を占めると覚えておきましょう。

「2.応募から選考」をたった2カ月で終えられるのか、不安になる人もいるかもしれませんが、それ以上は時間をかけられません。メンタルが持たないからです。たとえメンタルが強固な人でも、書類選考や面接後に届くお祈りメールを何度も受け取ると精神的に参ります。妥協や譲歩、我慢と諦めから転職条件が緩くなっていき、ついには年収アップすら手放してしまいます。冷静さを失わないためにも事前準備は入念に行い、実際の行動は早く終えましょう。

これが、ヘッドハンティングやリファラル採用といった、最近流行の転職方法でしたらもっと早く決まります。しかし、そういったスカウトがあった場合でも、のるかそるかの判断軸となる事前準備は、通常の転職時と同様に3カ月かけるのが無難です。

短縮するのはあくまで「2.応募から選考」以降の期間だけです。