お金持ちが好む、破綻の心配のない銀行とは

ただ、元本1000万円までのラインを意識しすぎると、1億円で10行、2億円では20行……と数多くの銀行へ分散が必要となり、管理が煩雑になってしまいます。そこで、複数の銀行には分散する一方で、破綻しにくい銀行に預金を集中させています。

2003年にりそな銀行が経営危機に陥り公的資金が注入されましたが、この際に「大きすぎて潰せない(Too big to fail)」問題が注目されました。大きな銀行ほど破綻の影響が大きく潰しにくい、という問題です。潰れなければ預けているお金も大丈夫なわけで、預金者としては重要な視点です。

その後、日本の銀行は三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3大メガバンク体制に移ったわけですが、いずれも、「大きすぎて潰しにくい」はずです。

大阪の三菱東京UFJ銀行を通り過ぎる人々
写真=iStock.com/winhorse
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そこで、お金持ちはメガバンク3行に預金を集中させつつあります。さらに、メガバングでも安心できないという場合は、利息のつかない普通預金や個人向け国債も利用して万全な体制を取ろうとします。利息のつかない決済用預金(普通預金や当座預金)は預金保険の全額保護の対象ですし、個人向け国債は元利金を全額国が保証します。

付加価値の高いサービスを提供する銀行が生き残る

もちろん、メガバンクも安泰ではありません。今後は、銀行の役割も変わっていくでしょう。銀行の基本的な収益源は、これまで預金者から集めたお金を企業などに融資して利ざやを稼ぐことでした。しかし、低金利が続く中で利ざやビジネスは収益になりにくくなっています。

それをカバーするために、保険や投資信託を販売して販売手数料を得るビジネスに力を入れてきました。しかし、金融商品を販売して手数料を稼ぐ商売は、あまりスキルを必要としません。銀行にとっては差別化が難しくなります。

今後は付加価値の高いサービスに力を入れなければ、収益性は確保できないでしょう。その一つがウェルスマネジメントです。ウェルスマネジメントは、個人が保有する財産を適切に運用・管理するサービスであり、コンサルティングが付加価値の源泉となるサービスです。すでに欧米では富裕層向けのサービスとして定着しています。

すでにメガバンクにはお金が集まる流れができています。つまり、他の銀行よりも有利なポジションにいます。その顧客に付加価値の高いサービスを提供できるかが、今後の銀行の収益性を左右するでしょう。

現在、メガバンク3行にあまり差はありませんが、今後、収益性に差が出てくる可能性がありますので、その場合には、より収益性の高い銀行と付き合うのが安心です。