恋愛は堕落行為とされ厳しく禁止されていた

中学に上がってからは、教会の行事が土日にあって、忙しくなりました。バスケットボールの部活をやってたんですけど、土日の部活を欠席しなきやいけないことが増えて。でも中学って先輩後輩の上下関係がすごく厳しくって、そういうこともきっかけで、またいじめを受けていましたね。自分がサボっていると思われてしまい、ずっと球拾いさせられたり、ということがありました。

礼拝や修練会では、堕落論を特に教えられました。祝福2世(信者同士が合同結婚式で出会い生まれた子ども)の場合は、罪を負わないで生まれてくるという教えなので、ふつうの人が堕落行為をするよりももっと悪いことだと教えられてきたので、自分自身もそういうことをしたら地獄に行ってしまうと本気で信じていました。なので、信仰が高い時はそういう感情が湧いても男の人に近づかないようにしていました。いま思えば人としての自由を奪われていたのだなと思いますけど、当時は信じて受け入れつつも、やはり思春期には葛藤がありましたね。

高校時代は教会の活動が楽しくて熱中した

高校は、滑りどめを受けるお金もないので、とりあえず一発で合格してくれと言われていて、家から近い、偏差値もあまり高くないところに入りました。だんだんと教会内に仲のいい子ができていって、その子たちといるほうが学校にいるよりも居心地がいいと自分は思っていました。学校の人たちとの話題は、教義に反することばかりだったからです。教会の仲間に影響されて、自分も熱心に信仰するようになっていきました。具体的には教会で、中高生のコンテストだったり、文化祭だったりがあるんですけど、そういうところの個人部門に出てみたりとか、いろいろ挑戦していました。まわりからは次第に模範的存在として見てもらえるようになりました。

高校のあとの進路はいろいろ迷っていました。きょうだいが韓国の統一教会系の大学に行っていたので、自分もそこに行こうかなとか、教会のもっと厳しい訓練を受ようかなと悩んでいました。当時は信仰に熱心だったので、統一教会でされている合同結婚式、「祝福」を受けることは絶対ってという観念があって、それを受けるための修練会に高校生の冬、卒業までの出席日数が少ない期間に参加しました。21日間でした。それは国内でのことです。