鏡を見ないと自信が高まる

実際、「鏡を見る頻度を減らす」ことが、自信を高めることを示した研究もあります。ウソのように思われるかもしれませんが、本当にそういう研究があるのですよ。

フロリダ州立大学のナタリー・ウィルバーは、84名の女子大学生に実験に参加してもらい、約半分の41名の女性には、2週間、「なるべく鏡を見ないこと」という指示を出しました。

鏡を見て身づくろいをする頻度を減らしてもらい、街中を歩いているときも、ウィンドウに映る自分の姿を見ないように気をつけさせたのです。ウィルバーは、念を入れて、実験期間中の夜には、「できるだけ鏡を見ることを減らして」というリマインドのメールも送りました。

残りの43名の女性はコントロール条件(比較のための条件)だったので、そういう面倒なことは一切指示されず、今まで通りに2週間生活してもらいました。

では、2週間後、どのような変化が起きたでしょうか。

なんと、鏡を見ることを減らした条件では、コントロール条件に比べて、外見を気にしすぎなくなり、人間関係における不安感が減り、自分の身体に関する不満も減ることがわかりました。

しょっちゅう鏡を見ているから、私たちは外見が気になってきて、それが自信を喪失させるのです。そのため、鏡を見る頻度を減らすようにすれば、外見も気にならなくなり、自信も失われずにすむのです。

とりわけ女性は、他の化粧品と一緒にコンパクト手鏡をバッグに入れて持ち歩いていて、ひんぱんに自分の顔のチェックをするものですが、あまり気にしすぎるのは考えものです。ちょっとだけ控えることをおすすめします。

手洗い場には大きな鏡が置かれていることが多いので、なかなか鏡を見ないというわけにはいきませんが、それでも自分の顔をサッと一瞬だけ確認するくらいにしておきましょう。

そうそう、お風呂に入るとき、お風呂で、あるいは脱衣所の鏡で、自分の裸の姿を映して見るのもやめたほうがいいですよ。たいていの人は、お腹がでっぷりと出ている醜い自分の姿にガッカリするだけですから。そういう私も、なるべく鏡は見ないようにしています。本当に落ち込みますからね。

悩みは打ち明けないほうがいい

悲しい出来事があったとき、仕事に悩みを抱えているときには、無性にだれかに話を聞いてもらいたくなるものです。悩みを打ち明けさえすれば、心の中のわだかまりが少しでも軽くなると思うからでしょう。

しかし残念ながら、それは錯覚です。

自信のない人は、むしろ悩みなど打ち明けないほうがいいかもしれません。

カナダにあるマニトバ大学のジェシカ・キャメロンは、試験に失敗したことを自分の恋人に語ると、自信のある人は、打ち明け話によってスッキリするものの、自信のない人はかえってネガティブな感情が高まってしまった、という報告をしています。

落ち込んだ若い女性
写真=iStock.com/Andrii Borodai
※写真はイメージです