笑顔は「うまいヘタは関係ない」とにかく笑顔を見せる

人間関係においては、笑顔がとても重要です。

細かいことはどうでもいいので、とにかく笑っていれば、たいていの人間関係はうまくいくものです。

「そうは言っても、私、うまく笑えないんです」
「愛想笑いは、どうも苦手で……」

そう思う人がいるかもしれませんね。

ですが、はっきりと申し上げておきましょう。

笑顔というものは、「見せる」ことが重要なのであって、うまいとかヘタは関係ありません。どんなにヘタでも、「見せない」よりは、「見せる」ほうが、絶対に好印象を与えます。

作り笑いでも、愛想笑いでも、ぜんぜんかまわないのですよ。

無表情とか、不機嫌そうな顔に比べれば、作り笑いのほうが、はるかにマシ。ですから、たとえ「自分は笑顔を見せるのがヘタ」だという自覚があっても、あまり気にせず、どんどん作り笑いを見せるようにしましょう。

少しくらいギクシャクした笑顔でも、見せないよりは見せたほうがいいのだ、と割り切って頑張りましょう。

顔の前で絵のように塗られた笑顔で紙を持っている女性
写真=iStock.com/Olga Mosman
※写真はイメージです

「無表情」より「作り笑顔」の方が10倍好かれる

イギリスにあるアバディーン大学のリンデン・マイルズは、男女3名ずつのモデル写真を用意しました。それぞれ、①自然な笑顔 ②作り笑い ③無表情の写真で、それを40名の大学生に見せて、どれくらい好意を抱くのかを調べてみました。

内藤誼人『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)
内藤誼人『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)

その結果は、やはりというか、もっとも好まれたのは①の自然な笑顔でしたが、作り笑顔のほうも、決して悪くありませんでした。無表情に比べると、作り笑顔のほうが10倍も好ましく評価されたのですから。

ということは、作り笑顔でもかまわず、どんどん笑うことが得策ということになります。

「そうは言っても、私は笑顔を見せるのが本当にヘタで……」と言う人もいるでしょう。

けれども、最初からとびきり魅力的な笑顔を見せられる人なんて、この世にいません。だれでも練習をくり返して、少しずつ上達していくものです。

どんなにヘタな笑顔でも、毎日、人に会うたびに練習していれば、そのうちうまくなっていきます。

人に声をかけられたり、目を合わせたりしたら、もう自動的に笑顔のスイッチが入るくらい、練習してみてください。

これを心がけるだけで、たいていの人間関係はうまくいくようになるはずですから。

内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長

慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。