【Q1】ITや英語の能力は必要? スモールビジネスに必要な資質とは何?

【A1】あえて“ケモノ道”を歩んでいける気質はマスト。特別なスキルはアウトソーシングでOK

ビジネスモデルとしては、まずは本業で得た知見を収益化できるように考えましょう。たとえばウェブマーケティングの会社で働いていたのなら、ウェブマーケティングのコンサルタントを始めるというふうに、前職の知見やコネクションをフルに活用します。加えてITの知識があるとベターですが必須ではありません。お金や時間をかけてプログラムの勉強をするのは効率的ではないし、素人がつくったプログラムでは役に立たないからです。

ビジネス上必須のスキル以外は外注すればよく、英語や会計も同様。何より儲かるスモビジを探るには、山の中の“ケモノ道”を進んでいかなければなりません。重要なのは、先が見えないケモノ道を選んで歩ける勇気と気概です。

【Q2】女性が成功しやすいスモールビジネスとは?

【A2】釣り、暗号資産など、規模が大きく女性が少ない領域を狙うべし

女性からよく相談されるビジネスといえば、コスメ、ファッション、カフェ、花屋などが多いですが、強くはお勧めできません。なぜなら市場がすでに成熟し競合が多いので、高い収益と利益率を継続することが難しいからです。いい意味で“女性”としてのアドバンテージを有効活用するのであれば、女性が少なく、かつ市場規模の大きな領域を狙いましょう。たとえば釣り、暗号資産、ラグビーなど男性ばかりで構成される領域であれば、女性という存在が希少価値になり、“跳ねる”可能性が大きい。

ちなみに私の知人の女性は、ルアー(釣りの擬似餌)のプロデュースを手がけ、大きな収益を上げています。もちろん希少価値だけにあぐらをかくのではなく、相応の努力も必要。また、音楽やダンスなど趣味を仕事にしたい人も少なくないのですが、自分が好きなものは他人も好き=競合が多い。逆に“人がやりたくなさそうだが自分はやりたいこと”が確立していれば、それが強みになります。

【Q3】会社を辞めて起業しようと思うけれど不安だし、お金もない。どうすればいい?

【A3】会社は給料と知見をくれる場所。活用し尽くすまで辞めないほうがいい!

会社は給料を払ってくれるうえ、さまざまな知見も与えてくれる“ありがたい”存在。焦って辞める必要はありません。まずは週末副業から始めて、軌道に乗ったら退職して起業しても遅くないのです。また、初期投資のお金もないのに起業するなどもってのほか。会社で地道に働いて、初期費用や運転資金を用意しましょう。

【Q4】初期費用はどのくらい必要?

【A4】およそ100万円を目安に

会社の住所を登記するためのバーチャルオフィスの利用料、PCの購入代金、インターネットやサーバー使用料、設立登記費用(株式会社で25万円〜)、ウェブサイトや名刺制作料などを考えると、最低でも100万円はあるといいでしょう。ほかに、資本金(1円から設立可能)、業界によっては材料の仕入れ代金等も必要になります。

【Q5】ゼロからビジネスを考えるのは難しい。どうすればいい?

【A5】儲かっている企業のマイナーチェンジコピー品をつくり、セグメントした顧客に売る

繰り返しますが、スモビジにイノベーションは不要。アイデアを考える方法は図のようにシンプルで、ゼロベースで生み出す必要がありません。まずは自分の経験や強みから事業領域をしぼり込むことが重要。たとえば前職が家電会社だから、家電をOEM(他社ブランドの製品を製造すること)でつくりネットで売るアイデアを考えたとします。そこでAという大手家電会社を調べると、問屋と直結した垂直統合型のビジネスモデルを取っていることが判明。情報、コスト、スピードの面で優位性があり、その競争力を発揮し迅速に商品を売ることができるので儲かっていると突き止めます。

そして、A社があえて捨てている小さな市場(例:ハンディー掃除機)で、可能な限り模倣したコピー商品をつくります。同時に「金額はさておき、小さい掃除機をどうしても買いたい」という燃えるような欲望“バーニングニーズ”を持った顧客(少数でも可)を見つけます。この際、性別、年齢、収入、地域など、外部から観測可能な情報によってセグメントし、似たようなニーズを持った集団に商品を売れば、効率的に収益を上げられます。この戦略ならスモビジでも大いに勝機はあるのです。

スモールビジネスの戦略立案骨子