コロナ禍により加速する製造現場のDX化は、18世紀の蒸気機関の登場、20世紀の電気エネルギーの普及にも匹敵する歴史的な変革とされる。もはや規模の大小にかかわらず、この波に乗らなければ未来はない。とはいえリソースにかぎりのある企業が単独でDXを進めるのは困難だ。そこで求められるのは、単にシステムを売るだけでなく、地域に腰を据え、メンテナンスまでを含めて企業のIoT導入をフルサポートし、個別の要望にもすみやかに対応し実現させていく伴走者である。NTTコミュニケーションズの「Things Cloud®」が、現場のデータ化に悩む地場企業を力強くサポートしている。

「匠の技」をデータで可視化

長年培ってきた職人技を武器とする企業が共通して悩むのが、高齢化と後継者の養成だ。昔ながらの徒弟制度が消えた今、どうやって次の世代に「匠の技」を引き継げばいいのか。一方では中国、東南アジアにおける製造業の技術力を含めた発展はめざましく、海外での事業においては人件費などを含めた経営戦略や効率化も考えなくてはならない。

伝統の地場産業が苦境に陥るなか、現場へのIoT導入によるDX推進でそれを乗り越えようとする企業もある。新潟県燕市に本拠を置く「遠藤製作所」は、ゴルフクラブのヘッドや自動車のギアなどの金属鍛造部品、そして極薄のメタルスリーブ成形技術で知られる。その職人技の世界にNTTコミュニケーションズの「Things Cloud®」を導入し、製造現場における生産効率のアップに成功した。

「従来は機械に不具合があった場合や品質を高めるための微調整の作業も属人化しており、設備にしても『壊れたら直す』というやり方だったため、故障によって生産が停滞することもしばしばでした。また、日報についても手書きだったため、機械の稼働効率をリアルタイムで共有・報告できないという問題があったのですが、Things Cloud®の導入後はそれが解消され非常にスムーズに行えるようになりました」。そう振り返るのは、同社の遠藤新太郎取締役(経営戦略室担当)だ。

他の部門への展開も視野に

「IoT基盤としてThings Cloud®を導入したことで自動的にデータが取得できるようになり、それを保存してグラフなどで可視化することも可能になったのです。リアルタイムにデータが見られるので、異常が出た場合はすぐに把握できるし、現場スタッフは日報に力を入れずに済むようになりました。またデータとして可視化できるようになったことも大きいですね。これまで職人の勘に頼っていた調整作業も『見える化』できました。当初、IoT導入はすぐに利益を出すのが難しいと考えたのですが、行政の助成金が使えたことも後押しになりました」

そして、「今後はデータを蓄積することによって個々の部品の寿命を把握し、故障前に計画的に交換を行うことで設備の稼働率を上げようと考えています。職人の高度な技も、これまでよりわかりやすい形で若手に引き継ぎできるのではないでしょうか」と期待を述べる。

同社ではメタルスリーブで獲得したDXやIoTのノウハウを、金属鍛造など他の製造部門にも展開していくという。

IoT基盤としてのThings Cloud®導入により生産現場を刷新した遠藤製作所の事例の詳細は、Things Cloud®で解決できる課題や活用方法とともに、期間限定のホワイトペーパーとしてダウンロード可能である。ぜひ自社導入の参考にしてほしい。

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