ポジティブな人=優しい人ではない
ただし、もうひとつ重要なのが「周囲にも責任を持たせられる人」であること。要は、単に優しい人、怒らない人ではないということです。
こうした人とは、「自分が所属しているチームで絶対に勝ちたいと思っている」人であり、そのために「懸命に学び、試す」ことができる人と、重複するケースが多いようです。つまり、ここまでに挙げた3つの要素は一種の相関関係にあるように見えます。
いい顔をしたがる人、人間関係的な立ち回りばかりにかまけている人が、実は社会人の後半人生で出世競争から脱落していくのは、真に勝てるチームをつくれる人、そのために自分も努力し成長し続け、メンバーたちにもそれを求め続けることができる人ではないからです。
「ポジティブな姿勢、影響」というのは、「優しい、怒らない、ぬるま湯」とは別物です。転職活動中の皆さんには自分事として意識してほしい点です。
一方、採用する企業側の経営者や採用責任者の皆さんは、この部分のキャラクターを見誤らないよう、お気をつけください。
企業がチームを預けたいと思う人の特徴
30代半ば以降世代としては、「自分軸」ではなく「チーム志向、チーム軸」であるかも、要確認事項です。若手の頃は、まずは自己確立をしなければなりませんし、実績も自信もない世代で、ある面、自分ファーストなくらいでなければ土台を確立できません。
しかし、「35歳の壁」をまたぐところで、自分ファーストからチームファーストへの転換ができていない人は、40、50代において大きな成果を期待することは難しく、それ以上に組織の害となる可能性が高いので、採用時に最も気をつけるべき部分のひとつです。いったん組織に入れてしまったらおしまいです。
最終的に自分たちを勝たせてくれる人、より良い世界に連れて行ってくれる人に、人はついていきますし、企業はそうした30代、40代、50代を採用したいのです。
こうした人の下にいる同僚や部下たちは、彼ら自身の多くもまた、責任感を備えた人材となります。組織を預ける企業側とすれば、どの30代にチームを託すかは、短期的にも中長期的にも、当人だけの問題ではないのです。