異論を唱える党員を監視

元『赤旗』記者のI氏は、私にこう語りました。

「除名された党員と長く付き合いがあったのですが、いま思うとその人が中央委員会に対して異論を唱え、意見書などを出し始めたころから、私の周囲に変な人たちが現れ始めていました。

通勤電車の中でも、駅と家の間の行き来でも、いつも同じ人物が2人くらいで付かず離れずについてくるのです。すれ違いざまにカバンからフラッシュをたかれたこともあります。顔写真を撮られたのだと思います」

日常的に党員の監視を行っている
写真=iStock.com/yamasan
日常的に党員の監視を行っている(※写真はイメージです)

この内容を、党本部を退職したK氏に詳しく話したところ、次のような解説をしてくれました。

「問違いなく第二事務の連中ですね。彼らは日常的に党本部勤務員を中心とした党員の監視を行っています。

中央委員会の方針に異論を唱えたり、飲酒や異性関係で悪い噂のあったりする党員の生活を監視し、問題をつかんで上級に報告するのです。

問題があっても、すぐには摘発しません。“泳がせ”ておいて、党員同士の付き合いとか人物連関図を把握し、いざというときは皆連座させて除名、除籍、権利停止など軽重をつけた処分をし、“有害党員”の追放と組織引き締めを図るのです」

私は、自分自身の体験や見聞と共に多くの日本共産党関係者、特に党本部の元職や現職の職員、地方議員、都道府県以下の党機関職員の協力により得た情報を紹介しています。

しかし、こと第二事務をはじめとする裏部隊の内実は、きわめて微妙であり、かつ告発にはかなり危険が伴います。

仮名を用いたとしても紹介する証言はなるべく生に近い形で掲載してきましたが、裏部隊については情報源が特定されると危険です。

そこで、あえて証言についても当事者を特定できない形にするため、複数の人物の証言を一つにまとめるなどの加工を行っていることをあらかじめ読者にお断りしておきます。