2012年5月23日(水)

なぜ「23人いれば同じ誕生日の人がいる確率は50%」なのか

「わが家の暮らし&財布」の小さな大疑問【3】誕生日の奇跡

PRESIDENT 2010年5月31日号

著者
小島 寛之 

帝京大学経済学部経営学科准教授。経済学博士。数学エッセイスト。1958年生まれ。東京大学理学部数学科卒業。同大学院経済学研究科博士課程修了。専攻は数理経済学、意見決定理論。著書に『サイバー経済学』(集英社新書)『確率的発想法』『文系のための数学教室』(講談社現代新書)『エコロジストのための経済学』(東洋経済新報社)『完全独習統計学入門』(ダイヤモンド社)『容疑者ケインズ』(プレジデント社)などがある。

執筆記事一覧

帝京大学経済学部教授 小島寛之 構成=伊藤博之 撮影=市来朋久、宇佐見利明、坂本道浩 図版作成=ライヴ・アート
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実は41人いれば確率は90%

この問題は「誕生日の奇跡」と呼ばれ、数学の世界では有名な話だ。「そんなに高い確率になるの」と驚いた人も多かったであろう。

このように「少なくても2人の誕生日が同じ」という場合は、まず「誰も誕生日が一致しない確率」を計算し、起こりうるすべての確率である「1」から引く。その差が「少なくても2人は誕生日が同じ確率」となる。

いまいるのがAとBの2人とする。Aの誕生日は365日のどれでも構わない。一方のBがAの誕生日と違うためには、「365-1=364日」のどれかであればいい。つまり、AとBの誕生日が違う確率は「364÷365」で求められる。

次にCが加わって3人になったらどうなるか。Cが先の2人と違う誕生日ということは「365-2=363日」のどれかであり、その確率は「363÷365」。3人が同時に異なる誕生日である確率は、「364÷365」と「363÷365」を掛け合わせればよい。そして、その計算を人数が増えた分だけ繰り返し、最後に「1」から引けば、その人数で少なくても2人の誕生日が同じ確率になる。

ここで注目したいことは、人数が増えるほど、掛け合わせていく割り算の項の分子の数が小さくなる点である。つまり人数が増えるほど、誰も誕生日が一致しない確率は限りなく「0」に近づいていく。ということは、2人の誕生日が一致する確率は逆に「1」に向けて限りなく大きくなる。

そうやって実際に計算した結果がグラフである。確かに23人で50.7%になり、奇跡に思えた誕生日に関するこの問いは、確率として正しいことがわかる。人数がさらに増えると確率はぐんぐん高まり、41人目で90.3%に達する。

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