2012年5月10日(木)

なぜ「完璧主義者」は組織を破壊するのか

妥協知らずの“自称”優秀な部下をうまく扱うには

PRESIDENT 2012年2月13日号

1
nextpage

強迫的な完璧主義は大きな欠点になる

あなたの部下に完璧主義者はいないだろうか。彼らのよい点は、高い基準と細部に対する鋭い目を持っていることだ。そして悪い点はあらゆる面にこだわり、優先順位をつけられないことである。マネジャーは部下のこうしたマイナスの特質を抑えながらプラスの特質を生かすことができるのだろうか。

答えは「できる」だ。完璧主義者を監督するのは難しいが、不可能ではない。そしてマネジャーがうまくやれば、双方にとってプラスになるのである。

自分は完璧主義者だと言う人の多くが、そのほうが優秀に見えると思ってそう言っている。だが、本当の完璧主義は美点というより、むしろ欠点である。

ハーバード・ビジネス・スクール経営学教授で、『What to Ask the Person in the Mirror : Critical Questions for Becoming a More Effective Leader and Reaching Your Potential』の著者、ロバート・スティーブン・キャプランは、「誰でも大なり小なり完璧主義の部分を持っている。問題になるのは、それが強迫観念になるときだ」と言う。強迫行動は多くの場合、優秀な人材の決定的な欠点になる。「マネジャーは彼らをすばらしい人材だと思うと同時に、手におえないと思う」と、やはりハーバード・ビジネス・スクール経営学教授で、『Flying Without a Net』の著者、トーマス・J・デロングは言う。潔癖すぎる部下を最もうまく生かす方法を、いくつか紹介しよう。

大掛かりな仕事には向かない人たち

完璧主義者は他人にイライラしたり、他人を酷評したりする傾向があり、仕事を任せるのが下手だ。「彼らは自分ほどそれをうまくやれる人間はいないと、心のどこかで本気で思っている」と、デロングは言う。

おまけに、彼らは時間を適切に配分するのが下手で、「94%やれば十分なときに、最後の2%を必要以上に重視する」。こうした行動は苛立たしいものではあるが、必ずしも悪い面ばかりではないことを認識しよう。プラスの面もたくさんある。「完璧主義者はみな、自分のやっていることに全身全霊で取り組む」と、デロングは言う。実際、彼らは卓越性に強くこだわるがゆえに、概して周囲の人々の基準を押し上げる。

完璧主義者はどんな仕事にも向くわけではない。彼らがマネジャーになったら、部下に多くを要求しすぎてうまくいかないおそれがあることを認識しよう。大がかりで複雑な仕事を任したときも成功しない可能性が高い。そうではなく、彼らの潔癖さが高く評価される仕事を与えよう。

「完璧主義者は担当分野が比較的狭いポジションにつけるべきだ」と、キャプランは言う。どんな組織にも、比較的狭い範囲を対象とし、細部にひたむきに関心を払わねばならない仕事があるはずだ。

PickUp