「0.2%の改善」のすすめ

何が言いたいかというと、時代の変化による社会の経済状況や企業の生産性向上については、個人レベルで考えてもほぼ無意味、ということです。

これは時代の変化と社会の仕組みのせいですから、個人が長時間必死で働いたり、悩んだり、恨んだりしても、社会の経済が上向いたり、生産性が向上することはありません。

ではどうすればよいのかといえば、答えは非常にシンプルで、「自分ができる範囲のことを少しでもよくなるように変化させ続ける」のです。

私はこれを「0.2%の改善」と呼んでいます。

黄色い背景にある階段を上向きの矢印が跳ねている
写真=iStock.com/Andres Victorero
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小さな改善がいつの間にか大きな成果になる

1日0.2%改善させることを続ければ、10日後には「2%」、100日後には20%改善させることができます。「少しずつよくなってきた……」と実感できるのは、おそらくそのころ……3~4カ月後あたりでしょう。

これを続けていくうちに、先ほど触れた「長時間労働こそが善」というブレインロックも揺らいでくるはずです。なぜなら、いつもよりも短い労働でも、ほとんど大した問題は起こらず、成果や評価も大きな損失が出ることがないことに気がついてくるからです。

短い時間でいつもとほぼ変わらない成果が得られるので、生産性は格段に上がります。すると、余裕が出た分、いままでできなかった新しい案件や企画にリソースが避けるようになってきます。