投資家タイプは消費に興味なし

投資家タイプはあまり消費に興味を示しません。お金を使うくらいなら、1円でも多くを投資に回したいと思っています。金額にかかわらず、1円、10円であっても無駄遣いはしたくないのです。ただ、お金を使う時でも投資だと思えることには思い切って使うこともあります。

高収入タイプには、いくつかのパターンがあります。積極的に自己投資して転職しながらキャリアップしていく人もそのひとつです。最近は、契約社員や派遣社員として働く人が増えて、正社員として働くことをあきらめてしまう人が少なくありませんが、積極的に挑戦を続ける人もいます。

働いて貯めたお金を自己投資してスキルアップし、契約社員から正社員を目指す、中小企業から大企業へ、あるいは国内企業から外資系企業へ転職して、より高収入が得られる職場を目指しています。あるいは副業でチャレンジしながら、起業を目指す人もいます。事業家として成功すればケタ違いのお金持ちになる人もいます。

このうち、②投資家タイプや③高収入タイプは、可処分所得も多いため、旅行にも惜しみなくお金を使う人もいます。こういうタイプの人たちには、海外に銀行口座を開く、不動産を買いに行くという旅行も少なくありません。

「家族の思い出づくり」を理由に旅行する人にお金持ちはいない

しかし、①節約家タイプは違います。そもそも旅行に出かけない人も多いですし、出かけるにしても、会社の保養所を利用したり、住所地の市区町村の施設を利用したりして、出費を抑えながら、楽しんでいる人が多いです。公共の施設が取れなかったから、高額なホテルを利用するようなことはありません。

一般の人に旅行の目的を聞くと、「思い出づくり」を挙げる人が少なくありません。家族で出かけて、思い出をつくる――。素晴らしいことだと思います。

しかし、お金がしっかり貯まっている人で「思い出づくり」を挙げる人はあまりいません。お金が貯まらない人は「思い出づくり」を理由にお金を使う口実にしている人もいるかもしれません。

では、お金が貯まる人は連休中に出かけることなく、何をしているのでしょうか。たとえば、東京に住むお金持ちなら、近くでおいしいものが食べられるレストランはたくさんあります。映画や演劇、コンサートを楽しむことができます。

大きな公園でジョギングや散歩、バーベキューなどをするのもいい。都内はいつもより空いているので、ゆったりと楽しむことができるはず。自分の好きなことを近場で存分に楽しんでいるでしょう。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー

生活デザイン代表取締役社長。自動車会社で燃料電池自動車の研究に携わった後、FPに転身。家計の個人相談の普及を目指して2001年に設立した「家計の見直し相談センター」では、すでに3万世帯を超える家計診断を行っている。家計管理、生命保険、資産運用など幅広い分野に精通。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。 生活デザイン株式会社 オフィシャルサイト