ムダなものも含めて、曲は生まれていく

【野地】いろいろ思いもかけないことが刺激になったり、影響を受けたり。考えてみたら「わたしのカローラ」だって、テレビから勝手に流れていた歌が横山さんにビビビッときて、浜口庫之助さんからも影響を与えられているという。僕も思えばあれが初めてのボサノバだった。

ギター
写真=iStock.com/Dutko
※写真はイメージです

【横山】ボサノバ初体験。あの曲のすり込みはでかいですね。子供のときになんておしゃれな曲だと思いました。

【野地】横山さんの曲でも、ボサノバっぽいのもいっぱい。

【横山】あります。いろんなことが刺激になって、ムダなものも含めていろんな影響を受けながら、曲になっていく。

というのはありながら、効率化すべきところはしたほうが、結果の数字がよく出たりもするんですよね。効率化というか、ちゃんとというか、丁寧にというか。自分のエゴとは別に、そういうことの大切さもありますね。

マンネリはイヤだけど、通底した一本も必要

【野地】コンサートも、本当に何回も練習して、ツアー中も毎回練習してるんですよね。で、ちょっとずつ変わっている。僕もある年、CKBのツアーの最初を見て、真ん中で見て、一番最後を見て、あぁ、ずいぶん変わるもんだなと。曲も変わってますよね。

【横山】はい、トヨタで言うところのカイゼンですね。

【野地】やっぱりそうしたほうがいいわけですか。

【横山】そうですね。もう昨日より今日、今日より明日って感じにしていきたいという志だけは持ってないと、というのがあるんで、練習しては反省ばっかりですけども。

やっぱりマンネリになるのはイヤだなという気持ちがあるわけですけど、同時に、でも、何かこう通底している一本のラインみたいなものがなきゃいけないとも思っていて。

それがクルマで言えばエンブレムだったり、フォルムだったりというのだとすれば、CKBの場合は、20年前の「クレイジーケンバンド!」っていう声のジングルを必ずCDに入れて、ロゴマークを変えないとか。そういうので一本、通底していると、冒険していろんなところに飛んでも、また正道に戻れるという感じで、そういうのだけは続けてやっているんですけど。

トヨタでもう1台欲しいクルマは?

【野地】最後に横山さん、もしトヨタでもう1台欲しいとしたら、なんですかね。

【横山】今、うちにはエスティマハイブリッドがあるんですけど、それの新型を。家族で乗る車、自分が乗る車、レースに出る車と分けていて……。

【野地】じゃあ今、3台。

【横山】レース用だと普通の耐久レース用はBMWの2002、クラシックレース(年式が古い車だけが走る)にはオースチンヒーレー。それにキャデラックとエスティマ、4台です(筆者注=取材当時)。普段乗るのは2台ですね。