専業主婦の母のレベルを目指さない

一方、無償労働の質を下げる例としては「多少家が散らかっていても気にしない」「食事は手料理だけにこだわらない」などが挙げられます。ところが、日本では女性のほうが家事のクオリティーにこだわる傾向が強く、掃除が行き届いていなかったり、冷凍食品を使ったりすることに罪悪感を覚える人も少なくありません。

特に専業主婦がいる家庭で育った女性は、自分の母親と同じレベルで家事をこなそうと頑張ってしまいがちです。しかし、共働きではそれは無理な話。仕事をしている分、家事にかけられる時間が少ないわけですから、「お母さんがしていたのと同じように」と思う必要はないのです。

さらに、家事の質にこだわる妻は、夫が担当した家事の出来栄えに満足できないことも。一つ一つやり直したり注意したりするようでは、夫のモチベーションも下がってしまいますから、ここも質の低下を許容する姿勢が必要でしょう。仕事と同じで、家事も“ゆるく”を意識してみてほしいですね。

男性は何のために家事をするのかわからない

しかし、そうして仕事や家庭の環境を整えたとしても、やはり家事をしない男性は一定数います。その理由は、一つには「これまでやってこなかったのに、なぜ今はしなければいけないのか」と思っているからです。何のために自分が家事をするのか、目的がわかっていないのです。

「何のために」と問われたら、答えは一つしかありません。妻の負担を減らすためです。共働き家庭で家事負担が妻に偏っているのなら、それを夫婦均等にするのは当然のこと。まずはそこを理解してもらえるよう、働きかけてみることが大切です。

もう一つの理由は「家事は妻のほうが得意だから」。これは、やってみたがうまくいかなかった、妻が出来栄えに不満そうだったなどの経験から、やる気をなくしてしまった状態ですね。

実際、夫が家事をするようになっても、妻の負担感はほとんど減らなかったという調査結果も出ています。せっかく家事に参加しても、残念ながら妻が期待するほどの戦力にはなっていないのです。