インバウンド消費激減が示す、今後のV字回復の不透明さ

さて、ここまで日本国民の消費行動を分析してきたが、今回の数字にはインバウンド消費の激減も大きく影響しているはずだ。

昨年2019年のインバウンド消費の総額は4兆8000億円と、過去最高の数字を記録している。同年の観光庁による「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 2019年4~6月期(速報)報告書」を見ると、訪日客の上位は中国、台湾、韓国で半数以上を占める。消費額の構成比は、宿泊費(29.4%)や飲食費(21.6%)を抑えて、買物代が約35%を占めている。

彼らはいったい何を買っていたのか。内訳を見てみると、1位:菓子(69.0%)、2位:化粧品・香水(42.4%)、3位:そのほか食料品・飲料・タバコ(38.5%)と続く。漢方なども含めた医薬品も人気である。買い物をする場所は、1位:コンビニエンスストア、2位:空港の免税店、3位:ドラッグストア、4位:百貨店・デパート、5位:スーパーマーケットであり、今回の調査対象であるコンビニやドラッグストア、スーパーなどが、これまで大きくインバウンド需要の恩恵を被っていたことがわかる。

令和の新たなマーケット創出に期待

つまり、訪日客が好んで買っていた商品のなかから、巣ごもり消費としてそのまま内需へとスライドした商品もあるが、インバウンド消費も減り、国内のニーズも激減した化粧品のような商品は大きな痛手を負う結果となったわけだ。

今後も当分は、「withコロナ」を意識した「新しい生活様式」が世界的に求められる。急激な訪日客回復は見込めず、これまでインバウンド需要に依存してきた商品づくりも見直しが迫られそうだ。「ピンチこそチャンス」とは使い古された表現だが、少なくとも新しいニーズが今後生まれてくるのは確かである。令和の新たなマーケット創出に期待したい。