1億円を稼ぐ男は結婚相手としてどんな女性を選ぶのか。富裕層研究のパイオニアが「カネ持ちの妻」に光をあてる。そこには「セレブ妻」の言葉からは想像できないような妻像が浮かび上がった。

--調査概要------
「日本の富裕層妻」についてのアンケートを高額納税者名簿に記載されている年間納税額3000万円以上(年収約1億円以上)の該当者のうち、1000名に送付し、118通(有効回答数は108、有効回答率10.8%)の回答を得た。平均年齢は夫63.1歳、妻59.3歳。

ひき肉は生協で買います

「カネ持ちの妻」が持つ武器(3)

弁護士の夫と外資系に勤める妻の夫婦をインタビューしたところ、かなり支出をおさえている。はっきり言えばケチです。「ひき肉は玉川高島屋では高くて買えない。生協で買います」と言うんです。

また別のお金持ちの家の前にはアルファロメオが停めてあった。聞いてみると「知人から相場の半額で買った」と自慢するんです。奥さんがたまには宝飾品を買いたいと言うと、夫はやにわに知人に電話して「××の知り合いのところに行くと安く買えるから」と言う。節約することが喜びなんですね。

「カネ持ちの妻」が持つ武器(4)

その代わり、お金持ちは子供の教育には投資します。「10億円あっても1人働かない子供がいたら、数年のうちになくなってしまう」のだそう。教育こそが資産形成の要なんです。となると働かない妻も負債かというと必ずしもそうではない。東大卒同士の夫婦が、あるとき子供の偏差値を見たら35だった。55以下の偏差値を見たことがない2人はびっくりしてしまったんです。それで奥さんは子供に勉強を教えるために仕事を辞める決意をしたというのです。

つまりお金持ちの妻になるには、一時期キャリアを中断できる「しなやかさ」も必要だといえます。中断の主な理由は「教育」と「介護」。例えば親をスープの冷めない距離で看たいと望めば、一度は仕事を辞めることも潔しとするような女性が勝ち組になれるのです。