アジアの株式市場は非常に安定感がある
ドレスナー・クラインオート証券 コンサルタント ストラテジスト ピーター・タスカ
1955年、イギリス生まれ。77年オックスフォード大学卒業。81年ドレスナー・クラインオート証券入社。著書に『日本の選択』(共著)などがある。毎年冬休みには、家族で南仏の町(オーシュ)に滞在する。「欧州も景気は急減速、自動車産業も稼働率が3割減少した」
1955年、イギリス生まれ。77年オックスフォード大学卒業。81年ドレスナー・クラインオート証券入社。著書に『日本の選択』(共著)などがある。毎年冬休みには、家族で南仏の町(オーシュ)に滞在する。「欧州も景気は急減速、自動車産業も稼働率が3割減少した」
世界で同時に起こった今回の景気後退の現象は、人類にとって初めての経験だ。過去の世界経済では、地域によって景気の循環にばらつきが見られ、2000年の世界同時に発生したIT不況も、ネット関連という特定の業態に限られたものだった。ところが、今回はあらゆる業態、セクターが悪い。金融・経済危機が幅広くグローバルに拡大している点が、今回の大きな特徴だ。
そして、第二の特徴は景気悪化の伝播の速さにある。昨夏まで経済・金融危機はゆっくりと進行していたが、リーマン・ブラザーズショックで一気に加速した。日本だけでなく欧州の政治家も、ごく最近までアメリカで起きた金融危機は他人事で、実体経済への影響も軽微だと考えていた。だが、現実には欧州でも金融危機が表面化し、実体経済にも波及して、製造業も大きな打撃を受けている。注意すべきは、日本の景気は悪化しているものの、欧米と違って金融セクターが直接的な危機に晒されていないことだ。
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