【Before】
(1)議題は決まっていても、目的が明らかにされていない会議が多い。参加者全員で目的とゴールを共有する。
(2)伝達を目的とする会議であれば多人数を集めてもかまわないが、議論を前提とするならば発言しない人は参加する必要がない。目的に鑑みてメンバーを選ぶ。
(3)会議の場で反対意見が出ることは重要だが、発言の根拠となる客観的なデータや資料がないままでは、説得力に欠ける。
(4)参加者全員が目的をもって会議に臨まないと、「もち帰って検討」「宿題」が増える。加瀬社長は「目的をクリアにすれば会議は8割終わっている」と断言する。
【After】
(1)ビジネス文書では結論を最初に…時間がなくても、ここだけを見れば状況が把握できるように、決定事項を最初にもってくる。誰が、何を、いつまでにすべきなのかも書けばスピードをもって実行できる。
(2)役職より目的でメンバーを決める…若手社員であっても特定分野について知識が豊富で、議論に参加してもらうべきだと考えれば、メンバーに選ぶ。「会議の目的を説明したうえで、若手社員の上長に話を通す」心配りも忘れずに。
(3)議論の根拠となる資料を提示…参加者を説得したいときには、反対意見が出ることも想定して事前に資料を作成し、持参する。
(4)反対意見の明記でリスクヘッジを…司会進行役を置き、異論も含めてできるだけ意見を引き出すように努める。明記すれば、合意に至るプロセスで反対意見を吸収している証拠となり、実行に移す段階でのトラブルを防ぐ効果がある。
(5)実行に移してこそ意味がある…今回の会議が全体のプロジェクトのなかでどこに位置づけられるのか、参加者にあらためて示す。
(芳地博之=撮影 面澤淳市=構成 高阪のぞみ=事例作成)