阿部珠理●あべ・じゅり 福岡市生まれ。立教大学社会学部卒業後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)大学院修了。現在、立教大学社会学部教授。博士(比較文明学)。専攻はアメリカ先住民研究。『アメリカ先住民の精神社会』(NHK出版)など著書多数。
「本当にいろいろな縁に導かれて今の自分があることを、インディアンとの関わりから学びました」。作家中上健次との“縁”が契機となって始まったフィールドワーク歴も20年を越え、今や日本におけるインディアン研究の第一人者となった著者が強調するのは、人を結ぶ縁、その「つながり」の大切さだ。
「無縁社会」といわれる現代の日本と対照を成す、ラコタ・スー族の社会。蔓延するアルコール中毒に失業率は8割強と、全米最貧レベルの生活を余儀なくされながら、餓死者も出なければ孤児もいない。「コロンブスのアメリカ“発見”から500年の受難の歴史を経ても、インディアンの共同体、すなわち人のつながりは根強く生き続け、互いの生命を守り合うという知恵が引き継がれているのです」。
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(薈田 純一=撮影)


