40代女性の約6割が、学歴の組み合わせが、恋愛や夫婦関係に影響すると回答した。「学歴が高いと年収も高いはず」「頭がいい人は、尊敬できるから」といった理由からだけでなく、学歴は結婚に深く関係しているようだ。

「いい人がいない」。かつてその言葉は、まだ結婚したくないことを暗に示す常套句だった。しかし今では、婚活に燃える未婚男女がこぞって同じ台詞を口にする。そこにあるのは、切実な嘆きだ。結婚したくないわけじゃない。できることならしたい。いい相手さえ見つかれば。そんな叫びとともに、30~40代の未婚率は上昇し続けている。

「専業主婦になるために婚活している人はちょっと……」高田浩一(34歳)●独身●専門学校卒●年収480万円●会社員(IT系)

高田浩一さん(仮名)は34歳。専門学校を卒業し、IT企業に技術者として勤務している。約1年前に、友人に誘われて婚活イベント会社主催のカップリングパーティに初めて参加した。それからは月に一回程度、合コンと同様の感覚でパーティへの参加を繰り返している。しかし、残念ながら「お付き合い」までに発展したことはない。

「昔から“押しが弱い”って言われるんですよね。相手のリアクションが弱いと深追いできなくて。それで、なんとなくうまくいかなくなっちゃうんです」

別に悠長に構えているつもりはない。同世代が次々と結婚していく姿を見るにつけ、焦りも感じている。しかし、女性から即結婚の意識を匂わされると腰が引けてしまう。結婚後の未来予想図に、漠然としたプレッシャーがあるからだ。

結婚した友人から家計の苦労話として、毎月の小遣いやマンションの頭金など具体的な金額を耳にするようになり、自分の収入だけでは無理があるように思えてきた。また、専門学校卒という自分の学歴も気になるところだ。実生活において支障になることはないが、「学歴社会」に揉まれてきた親の世代は感覚が違う。「もしかしたら、相手の親が気にして反対するかもと思ってしまうんです」。

こうしたコンプレックスめいた不安材料が、高田さんから自信を奪い、女性へのアピールにブレーキをかけさせている。