外国人の家族が多く住む街には、国際色豊かな公立小と、イメージとは違う住みやすさがあった。

外国人家族が多いエリアに住むことのメリット

「グローバルで通用する子どもを育てたい」と考えるママは多いはず。では小さいうちからグローバルな環境にいたら? 今回は、外国人児童の割合が多い新宿区と港区在住のママにインタビューを敢行。多様性の街におけるメリットを聞いた。

新宿を拠点にしたママコミュニティを立ち上げた前田カオリコさんは、「新宿は、いろんな刺激を受けながら、いい育児ができる街」と太鼓判を押す。

「幅広い国籍はもちろんのこと、あらゆる価値観を持つ個性的な家庭が混在する街なので、まずどんな家族でも引かれることはありません。育児や生活に関して、その地域独特の価値観を押しつけられることもないので、とても自由な子育てができます。子だくさんな家庭や、フルタイムで働いているママも多いですね。ママたちがさっぱりしていて適度な距離感があるのも、共働きで働く方にとってはうれしいことかもしれません」

デパートから公園、下町までママチャリで行けるのもメリット。「よく“こんな都心で育児ができるの?”と聞かれますが、鳴子瓜作りなどの農業体験で地域の皆さんとのつながりもありますし、子どものうちからいろんな刺激を受けておくと、将来的にもいい免疫になるのではないでしょうか。想像以上に教育環境も良いです」

大使館が立ち並ぶ、港区在住の林原美和さんは「子どもたちは異文化にすぐ慣れる」と話す。

「区立青南小学校は、カナダ、ペルー、ガーナなど、他の学区に比べると、たしかに外国籍の子どもは多いかもしれません。ただ、子どもはすぐに打ち解けて、異文化に対する抵抗も一切ありませんし、学校では、週に2回英語の授業があります。外国の方に対して、物怖じしなくなるというメリットがあります」

港区=幼稚園・小学受験のイメージも強いが、青南小のママたちは、気さくでカジュアル。普通の会社員の家庭も多いという。

「中学受験をするご家庭は多いと思いますが、ごく普通の公立小なので、とても付き合いやすいです。しっかりした親御さん、お子さんが多いなという印象を受けます」

新宿区と港区には、異国の素敵な刺激のほかに、イメージとは違った住みやすさがあるようだ。

(左)新宿区・柏木小に子どもを通わせる 前田カオリコさん 元フリーアナウンサー。「ブルーミング・マム」代表理事として、ママたちがイキイキするライフスタイルを応援。2児の母。
(右)港区・青南小に子どもを通わせる 林原美和さん(仮名) 人材紹介会社でキャリアカウンセラーを務める2児の母。祖母の自宅が青山にあったことから、この街に住むことを決意。