アパートを建てたオーナーにはローンだけが残るケース
不動産のサブリース(転貸)をめぐるトラブルに要注意だ。サブリース契約で物件を借りてシェアハウスを運営していた不動産会社スマートデイズが、2017年10月からオーナーに保証していた賃料を支払えなくなり、オーナーたちから怨嗟の声があがっている。不動産トラブルに詳しい日比野大弁護士はこう語る。
「スマートデイズは氷山の一角。これから同様のトラブルが続々表面化するでしょう」
サブリースの一般的な構図はこうだ。自社で物件を持たないサブリース業者が、オーナーを勧誘。オーナーは、銀行で住宅ローンを組み、サブリース業者に紹介された建設会社や不動産会社で物件を建設・購入する。
その後、サブリース契約を結んだ業者は、入居者を募集して物件を転貸する。契約内容によるが、サブリース業者は実際の家賃の8割前後をオーナーに支払うが、オーナーに対しては「30年家賃保証」などと長期の家賃保証を謳うことが多い。
サブリースはオーナーにとっても魅力的な仕組みに見えるが、大きな落とし穴がある。
「サブリース物件は、入居者が見込めない辺鄙な場所に建てられるケースが珍しくない。その結果、当初の事業計画が破綻。保証されていた家賃をもらえなくなり、オーナーにはローンの支払いだけが残るリスクがあります」