自社ブランド立ち上げでの、社長の役割

自社ブランドを立ち上げる際、経営資源が足りないと感じざるをえなかった。では、足りないものをどう補うのか。経営者が勉強するしかないと私は思う。都合よく人をスカウトして連れてくることが、中小企業にはできない。経営者が率先垂範して、足りない能力を自ら補うだけの覚悟があるかどうか、だ。経営者がある程度、誰でもできるやり方を確立してから、信頼できる社員に渡してやればいい。その過程もなしに、社員にいきなり、「おまえ、これをやれ」と言っても絶対にうまくいかない。

あとは、どこでもいいから、何か一つ突き抜けたものを作らないとダメだ。「あそこは、○○○だけは日本一だ」と言われるものだ。今回は割愛したが、私たちは環境整備にとことんこだわった。読者のみなさまなら、「朝礼日本一」などでもいいだろう。抜きんでたものを一つ持つと、会社は必ず変わる。何か突き抜けたものがあると、周りの見る目が変わる。すると、社員が変わる。周りから評価されるのが、社員にとっては一番の喜びだからだ。社員が変わると、会社はさらによくなる。

今後は、工場があるフィリピンを拠点に、タイなどASEAN諸国への「ディーズガーデン」シリーズの販売を本格化させる。あとは、まだ私の夢レベルだが、弊社の製品であるゼロエネルギー住宅と「ディーズガーデン」商品、さらに景観材料(例:モニュメント・彫刻等)の3つの事業を統合した形で、「ディーズガーデンタウン」のような街を創りたい。まずは20戸ほどの小規模でいい。いくらよい家でも外構が貧相だと、いい街並みはできない。だから、私たちの商品と特約店さんのデザイン力を融合させた街並みを実現させたい。

(構成=荒川 龍 撮影=森本真哉)