プレジデント誌の好評連載「悩み事の出口」。ライフネット生命の創業者で、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが、読者の悩みに答えます。今回のお題は「不満ばかり言う同僚」。出口さんは「たくさん仕事を振ってあげてください」といいます――。

Q:口を開くと不満ばかり言う同僚とどう接すればいいのか?

――隣の席の同僚が愚痴ばかりで、こちらが精神的に参ってしまいます。

聞き流すのが一番です。まともに聞いていたら、自分もストレスが溜まり、疲れてしまいます。人間の脳は、興味のない話は構造的に聞き流すようにできていますから大丈夫です。

写真=iStock.com/Andrew Rich
――最初は私も聞き流すようにしていました。でもいまはいくら聞き流しても聞き流せないくらい、頻繁に話しかけられるんです。

「2・6・2の法則」をご存じでしょうか。上位2割は生産性が高く一所懸命仕事をする人、真ん中の6割は平均的な人、下位2割は生産性が低く不満ばかり言っている人。

どの集団もだいたいこういう内訳になりますから、愚痴ばかり言う同僚がいるということは、違う見方をすればあなたの職場は正常である証拠です。

――そう言われても、仕事の妨げになることは確かです。一緒にランチに行ってもずっと愚痴ばかり……。

一対一だと、相手の不満を全部受け止めなければならないので、仲間の力を借りましょう。仮にこちらが5人を集めてランチに行けば、あなたの負担は5分の1で済みます。

次は「毒をもって毒を制す」。みんなが毒舌を全開にして毒を吐きまくれば、相手は呆気に取られて大人しくなるかもしれません。