2017年上期においても、PC出荷台数の世界第1位を記録したHP。同社が究極のモバイルPCとして開発している「Spectre(スペクトル)シリーズ」は、各国のエグゼクティブに高く評価され、このPRESIDENT Onlineでも取り上げてきた。
《第1回 パートナーと呼ぶにふさわしいプレミアムノートパソコン》
《第2回 ユーザーの“感性”に訴える注目の1台!》
その最新作として2017年11月17日に発表されたのが、滑らかな艶消しのセラミックホワイトボディに淡いゴールドをあしらった世界最薄(※)のタッチモバイルPC「HP Spectre 13」と、上質な質感のボディに最高レベルの性能を備え、プライバシー保護機能も選択できる2in1コンバーチブルPC「HP Spectre x360」だ。
2015年の分社化以来、デザイン分野でも大改革を押し進めてきたHPが世に問う両製品は、鞄や時計、万年筆など自身の持ち物にこだわり、従来のPCには飽き足らないユーザーの感性に訴える“新たな価値”を提供する。同社のデザイン部門の責任者として「Spectreシリーズ」のデザインも統括したステイシー・ウルフ氏に、製品へ込めた思いやデザイン哲学などを聞いた。

※年間100万台出荷するWindows OSまたはOSX搭載のPCベンダーにおける、クラムシェルタイプのタッチ対応ディスプレイ搭載ノートPCの高さを測定した結果に基づきます。(HP調べ、2017年9月15日時点)

高度なファッション性と最新テクノロジーの融合で、ユーザーの潜在的なニーズを形に

ステイシー・ウルフ(Stacy Wolff)
HP Inc.
パーソナルシステムズ
インダストリアルデザイン担当バイスプレジデント
コンパックなどでデザインチームの責任者を務めた後、HPに入社。プレミアムブランド「HP Spectreシリーズ」や「HP ENVYシリーズ」といった受賞作品のデザインを手がけ、「HP EliteBookシリーズ」や「HP ProBookシリーズ」のデザインでレッドドット・デザイン賞、iFデザイン賞やI.D. マガジン賞などを受賞。

──画一的なデザインが多いモバイルPCの分野において、「Spectreシリーズ」ではどのような価値を提供したいと考えていますか。

【ウルフ】ユーザーのリテラシーが向上した現在、特にプレミアムセグメントにおいては、機能・デザインの両面でPCに求められるレベルは明らかに上昇しています。またこの数年、新素材の活用や加工技術の進化でより洗練された仕上げが可能になるなど、デザインの面でも大きな変化が起こりました。そこで高度なファッション性と最新のテクノロジーを融合させ、一流の時計やスーツを選ぶような人が手にするにふさわしい、新たな選択肢を提供したいと考えたのです。

単に必要なテクノロジーを積み上げ、製品の形にしたモバイルPCではなく、ユーザーのライフスタイルを体現するかのような独自の魅力をもつPC。その姿を描き出すには、具体的な製品、色、素材を示して想定ユーザーの反応を見る一般的な調査だけでは不十分です。ユーザーは今、何に興味を持ち、何を求めているのか──。リサーチ会社の協力も得ながら、その答えをと新たなPCのあり方を探っていきました。

360度の可動域をもつヒンジにより多彩な利用スタイルが可能な「HP Spectre x360」。通常のノートPCモード(左)、タブレットモード(中央)、狭い場所にも立てられるテントモード(右)など、使い方は自由だ。
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宝飾品のような細部へのこだわりで、ほかにはないプレミアム感を演出

──今回の新モデルのデザインで特に注力した点について教えてください。

【ウルフ】いずれのプロダクトでも重視したのが“シンプルな美しさ”です。洗練されたコンパクトなボディの中に最高の機能を備えた、プレミアム感のあるモバイルPCをつくる──。そこでトップジュエラーが宝飾品を生み出すときのような、細部に至るまでのつくり込みを行いました。

「HP Spectre 13」で大事にしたのは、上下左右どこから見ても隙のない、“オブジェとしての魅力”です。タッチモバイルPCとして世界最薄となる10.4mmの薄さを実現するため、冷却用ファンなど厚みがある部品は後方の淡いゴールドの部分に集中。この部分と本体との一体感を演出するため、製品を組み上げた後、マシンカットによる処理を施しました。

また、高級家具にインスピレーションを得て独自のヒンジを開発しており、PCを開くとまるでディスプレイが宙に浮かんだような印象を与えます。

最薄部で10.4mmを実現した「HP Spectre 13」。洗練されたコンパクトなボディに最新技術を凝縮。映像出力や充電など多機能に使えるUSB Type-C(TM)を備えている。
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ゴールドのアクセントが利いた艶消しのアッシュブラック、落ち着きのあるナチュラルシルバー、限定カラーのローズゴールドの3色が揃った「HP Spectre x360」では、最新プレミアム機種にふさわしい最高のパフォーマンスと比類のない美しさを妥協なく実現すべく、デザイン面でも多数の工夫を行いました。

前モデルで丸みを帯びていた後方のエッジを三角のカットに変更。すると半分は陰になってシャープさが強調されます。またベゼルを極限までそぎ落とすことで、ボディを格段にコンパクトにしながら画面をすっきり見やすくし、スピーカー部の格子模様などでも特別感を演出しています。

「HP Spectre x360」では、13.6mmという薄さの中に、タッチ対応スクリーン、第8世代インテル(R)Core(TM)iシリーズのプロセッサーをはじめ最高の性能を実現した。ベゼルは極限まで削ぎ落とされている。また、シンプルな美を際立たせる下の写真左側背面の三角型カットのエッジも新しい。

グローバルチームの力を結集し、独創的な魅力を持つ製品をつくる

──デザイン部門にはさまざまなバックグラウンドを持つ人が集まっていると聞いています。

【ウルフ】私がこの4年間で大きな力を注いできたのが、世界各地のユーザーを魅了するデザインを生み出せるチームづくりでした。多彩な文化をもった幅広いユーザーが心惹かれるデザインというのは、普遍的な美しさとほかにない独自の魅力を兼ね備えたものだと思います。それを実現するには、多様性のあるメンバーの力を十分に生かすチームづくりが欠かせません。

HPでは、さまざまな国籍、専門性、職歴をもつデザイナーが、チームで仕事に当たっています。このチームの一人一人が製品に新たな付加価値を与え、それを融合することで、デザインに独創的な魅力がもたらされる。そうした環境を実現するため、責任者として気をつけているのが、一人一人の意見を十分に尊重することです。

優れたアイデアは職階を問わずに採用し、決断の際もメンバー全員の意見を尋ね、真剣に検討する。「メンバーの意見はすべて平等」という原則を全員に繰り返し伝え、それを徹底してきました。実は「HP Spectre 13」には、当時インターンだったスタッフの案も採用されています。こうしたメンバーの力を最大限に生かせるフラットな環境づくりは、業界を問わず、今後のビジネスには欠かせない。本製品のデザインにおいても、その成果が十分に生かされていると考えています。

製品に込めた思いを熱く語るウルフ氏。

──ご自身がデザイナーを志した理由を教えてください。

【ウルフ】私の父親は工業デザイナーで、幼い頃から父の仕事場に出入りしていました。そこでデザインの魅力にとりつかれたのです。最初は父の専門に近い分野を避けて建築家を志しましたが、自分のデザインが実際の建物になるまで時間がかかる。そこで工業デザイナーに転じました。

デザイナーとしての一番の喜びは、やはり自分で考えたデザインが現実の製品になり、それを多くの方が手にしてくれることだと思います。テクノロジーと美意識を高いレベルで融合させた「HP Spectre x360」は、HPの歴代モバイルPCと比べても、現在のモバイルPC市場においても、最高の製品であると自負しています。また「HP Spectre 13」は、スリムで人目を引くボディの中に驚くほどの機能が詰まった、ある種魔法のような魅力を感じさせる製品です。持つ人に特別な感覚をもたらすこれらの製品が、日本でも多くの人の手にとってもらえることを願っています。

取材を終えて

このたび登場した「HP Spectre 13」「HP Spectre x360」では、高度なテクノロジーと美意識の融合を妥協なく追求。最先端の性能とシーンを問わない自在な使用感を実現しながら、最高の材料を用い、最高の仕上げを施し、従来のモバイルPCとは一線を画す心をくすぐる特別感を湛えた品に仕上げている。そのほか、起動の圧倒的な速さやスピーカーの音質の良さなど、実用面での魅力も多い。

より厳しさを増す今後のビジネスにおいて、グローバルレベルでの競争を勝ち抜いていくためには、さまざまな背景を持つメンバーの力を引き出し、化学反応を生み出しながら、多様性を独自の優位性に変換していく力が重要になるだろう。1939年の創業以来、世界初のデスクトップPCやインクジェットプリンタといった革新的プロダクトで業界をリードし、いま、そうした新たな挑戦に取り組むHP。その結晶ともいえる今回の新モデルは、自身の道具にこだわりを持つエグゼクティブに、まさにふさわしい逸品といえるだろう。

<新製品紹介>

艶消し仕上げが美しい、世界最薄のタッチ対応モバイルPC「HP Spectre 13」

CNC削り出しアルミニウムとカーボンファイバーを使用した軽量のボディは、タッチ対応モバイルPCとして世界最薄。艶消しの滑らかなセラミックホワイトボディに、アクセントとして淡いゴールドをあしらった優美な外観が見る者を魅了する。

■コンパクトなボディに最新技術を凝縮
・前世代と同様の質量、厚さで、13.3インチのディスプレイをタッチ対応に。
・第8世代インテル(R)Core(TM)iシリーズのプロセッサーなど機能性も十分。

■持ち運びに最適なモバイル性能の高さ
・最薄部10.4mm、質量1.11kgのボディは、持ち運びも苦にならない軽やかさ。
・バッテリー駆動時間は最大11時間15分。30分で50%までチャージ可能。

HP Spectre 13 スタンダードモデル
OS:Windows 10 Pro
プロセッサー:インテル(R)Core(TM) i5-8250U
ディスプレイ:13.3インチ フルHD・IPSタッチ対応(1,920×1,080)
メモリ:8GB
ストレージ:256GB SSD(PCIe NVMe)
ネットワーク:IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
インターフェイス:USB Type-C(TM) 3.1×3(内ふたつはThunderbolt(TM) 3対応)
サイズ:約W308×H225×D10.4(最薄部)mm
重量:約1.11kg
価格:¥161,784(税込)

自在に使えるプレミアム 2in1 コンバーチブルPC「HP Spectre x360」

CNC削り出しアルミニウムで強さと美しさを両立したボディは、適度な滑らかさを残しつつ、手にしっとりなじむ上質な質感。ディスプレイが360度回転できるので、利用シーンに応じて、好きなスタイルで使うことができる。「アッシュブラック」「ナチュラルシルバー」とこの冬の限定色「ローズゴールド」の3色で展開。

■より薄く、軽やかに進化したプレミアムコンバーチブルの決定版
・前世代より性能を高めながら、薄さ13.6mm、質量1.29kgとさらなる薄型化、軽量化を実現。
・第8世代インテル(R)Core(TM)iシリーズのプロセッサーを搭載。最大16時間45分のバッテリ駆動時間や急速充電も実現。

■外出先の作業でもプライバシーを守る
・カフェや電車といった外出先での作業でも、隣からの視線をシャットアウトし、セキュリティを確保しながら作業に集中できるプライバシーモード(HP Sure View)を選択可能。
・IRカメラを使用した顔認証や、側面の指紋リーダーによる指紋認証でのログインも可能。

HP Spectre x360 パフォーマンスモデル
OS:Windows 10 Home
プロセッサー:インテル(R)Core(TM) i7-8550U
ディスプレイ:13.3インチ・UHD(4K)ブライトビュー・IPSタッチ対応(3,840×2,160)
メモリ:16GB
ストレージ:1TB SSD(PCIe NVMe)
ネットワーク:IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
インターフェイス:USB3.1×1、USB Type-C(TM) 3.1×2(Thunderbolt(TM) 3)、microSDカード
サイズ:約W307×H218×D13.6(最薄部)mm
重量:約1.29kg
価格:¥204,984(税込)