勝負するか、避けるか、手打ちとするか

国連安保理の非難決議、制裁決議を完全に無視してミサイル発射、核実験を繰り返す北朝鮮。今やアメリカだけではなく中国、ロシア、欧州諸国まで巻き込み、北朝鮮を中心に世界中の国々が国際政治の闘争を繰り広げているのが現実だ。この闘争に「勝つ」ために、どのように物事を運べばいいか。その際に、どのようなポイントについて判断すればいいのか。

まず言えることは、こういう「勝つ」ための戦略・策略の基本方針を練るのはインテリではムリだということ。こういうときは知識だけ豊富な「情報屋」「分析屋」ではなく、まさに「ケンカの達人」を活用しないといけない。この出だしのところでインテリかぶれした政治家や企業トップは間違っちゃうんだよね。

民間企業の世界で闘争モードの話といえば、営業合戦でライバル企業を追い落としたり、買収を仕掛けたりする領域が典型例だ。このときに、会社法の学者や経営論の学者に相談したって勝てるわけがない。本でお勉強を積んだだけのコンサルに相談しても無駄だよね。

このようなビジネス上の闘争も所詮ケンカなんだよ。そして世の中にはケンカの達人というのがやっぱり存在する。もちろん殴り合いの単純なケンカじゃなくて、策略を駆使して探り合い、化かし合い、騙し合いをやりながら自分を有利にするケンカ。勝つための戦略の策定、検討すべきポイント・論点の抽出という作業は、こういうケンカの達人たちと協議しないと良いものが作れない。

今の北朝鮮問題も本質はケンカだ。国際政治だ、安全保障だといきなり小難しいことで騒ぐから、北朝鮮問題は所詮ケンカなんだという本質を見誤ってしまう。それで専門家と称する者が自由気ままに分析・解説をやってしまい、結局日本はどうしたらいいのかについては「難しい問題ですね」という締めで終わってしまう。

そうじゃない。北朝鮮問題なんて、ケンカ闘争なんだ。この本質をつかめれば、日本がまずしなければならない最初の判断は、勝負するか、逃げるか、手打ちの和解にするかの3つしかない。この判断をするために検討しなければならないポイント・論点は何なのか、そしてその論点設定には誰の意見を求めていくべきなのか。そう、この論点設定についてはケンカの達人の意見を聞きながら、適切な論点設定を進めていくべきなんだ。