極限までモノや情報、人付き合いを減らす「ミニマリスト」と呼ばれる人たちが増えているという。「捨てる」ことでどんな効果があるのか。達人に聞く。

辛いときの恩はずっと忘れない

編集者として数多くの大物作家、著名人と親交を深めてきた見城徹氏。数こそ多いが、関係のつくり方は究極のミニマリストだ。見城氏の編集者人生は、狙いを定めて全力で向き合う「正面突破」が貫かれてきた。

見城 徹●幻冬舎社長。1950年、静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、75年角川書店に入社。「月刊カドカワ」編集長、取締役編集部長を経て、93年幻冬舎を設立。著書に『編集者という病い』『たった一人の熱狂』など。

「異業種交流会やパーティー、催しと名のつくものは全部くだらないと僕は思っているわけ。よっぽど義理のある人に頼まれない限り、参加しないよ。表面的な名刺交換をして、『いい天気ですね』って雑談をする程度で関係性がつくれるはずがないじゃないですか。人脈ができたと勘違いしても、実際は余計な名刺が増えただけ。“人脈”って言葉自体、大嫌い」